その頃一年A組の教室では

ワーワー!

キャーキャー!

ウォー!


彼が出て行った教室では想像通りワーキャーと騒がしくなっていた。


ただ彼が想像したような童貞勃起舌を揶揄するものではなく。


「ヤバいカッコいい好き」

「ちょっと素敵過ぎて死んじゃうって」

「スタイル良くない?筋肉も付いてたし」

「あんなのリアルで存在するのかよ」

「私の王子様」「神」「尊い」

「優しそうだったよね」

「紳士だよきっと、私の胸に視線向かなかったもん」

「好き好き好き好き好き好き好き好き好き」

「噛んだ後のアレ可愛いかったよね」


好意的なものばかりだった。


そんな中…


「ちょっとノゾミさん!男性が話そうとしてる所に割り込むだなんて何を考えてるのよ!」


「ふぇ~ん!委員長~!怖かったよぅ~」


「まったく…彼、ベ、ベー君が怒っていなかったから良かったものの、他の男性ならどうなっていたか分からないのよ」


「はいぃ、反省してますぅ。でもアノはにかんだ笑顔は私に向けてだよね?私の事好きなのかな?両想いだよね?ねっ」


「「「絶対違う!!」」」


「そ、そんなぁ~みんなで否定しなくてもさぁ、あっ、でも私が一歩リードなのは間違いないよねぇ?」


「「「くっっ」」」


「でもノゾミさん貴女はC組のタケシ様にアタックするのではなかったの?好きになる!って意気込んでいたわよね?」


「タケシ?無い無い。あんな自分の事を俺様なんて言ってるような傲慢なヤツ、ベー君を知った後じゃあ、こっちから願い下げだよ~。好き放題生きてきたんでしょアノ体型と態度見れば分かるよ。男ってだけで無理に好きになろうとしてた過去の自分に嫌気がするよ」


「ちょっと様を付けなさいよ!せめてC組の子の前では様を付けなさいね!気持ちは分かるけれども」


「あ~!委員長もベー君狙いな感じ?てか全員ライバル的な~?でも高校に来たって事はハーレム…」


「「「「……」」」」


委員長と呼ばれているシッカリ者の女性と周りの女性もこの時ばかりは顔を赤らめ脳内お花畑になっていたとかいないとか。




教室の隅では…


「ねぇ、シーはベー君の事どう思った?」


「…まだ分からない」


「そっかーそうだよね。でもベー君って初めてシーに会った時に挙動が似てたんだよね?」


「え?」


「◯◯も似てるよね?」


「え?」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る