n=2 この状況で入れる保険があんですか?

「よし、皆集まったな、トイレに行くなら今の内だぜ、ここから君らにとって初めてのダンジョンだから」


ゲートの前で俺、ダンジョン科の生徒と数美を含め、十六名が集まる。


デイブレイク以来、大穴の上に新たな建築物、各異界局ツンフトが建てられ、そして穴と繋ぐのはそのゲートである、ダンジョンで採集した材料で何とかダンジョンと現実世界を隔てたらしい、ただの地下鉄の入口しか見えないけど。


「まず私が入り、安全確保する、できたら呼ぶので、順番に入ってください」


そう言って、職員はゲートを潜った。


「ふん!大袈裟だな、たかがGランクダンジョン、そんなことしなくとも、怪我たりをしねぇよ」


最前列に適当に並んでいる、えっと、名前なんだけ、家は権力と金がたっぷり持っている、言わばボンボンの、ざ、うん?誰だけ?


「そうですなぁ、座間ざま様の言う通りですぅ」


周りの腰巾着も彼の言葉に賛同する。


あ、そうそう、座間、座間ざま耀院よういん、よくダンジョン探索用グッズを自慢するデカ物。


とにかく無視だ、無視、あいつに絡むと絶対いい事ない。


「安全確保!新学の皆さん入ってください」


よし、ついにこの時がやって来た、念願の初ダンジョンだ!


霧のような幕が張っているゲートを潜り、階段を降りると、目の前は全く違う景色が広がっている。


地下と思わない一面の生い茂る草原、何故か頭上に燦々と輝く太陽、終わりが見えない群青の空、明らかに異質な空間。


「くぅ~ここがダンジョンか」

「これ、VRじゃないよね?」


隣の数美も驚いて、思わず呟く。


「あたりめぇだ、まぁ、この草原タイプダンジョンはここ新宿ダンジョンしかないからな、大阪の新世界ダンジョンは洞窟タイプだし、他は山とか色々あるから」


他のタイプは初心者に向いてないから、わざわざ東京まで来る人も結構いるらしい。


「皆来たな、よし、じゃ、まずステータスを確認してください、もし表示されないなら、残念ながらこのツアーを降りるしかない」


出た、選別、稀にダンジョンに入ってもステータスを獲得できない人があるらしく、そういう人は当然探索者ズーハーになれない。


しかも、ダンジョンは高校生にならないと入れないルールがあるから、例えダンジョン科の生徒だとしでも、ステータスがないと普通科に転入するしかない。


「ハハッ!今年も出来損ない出るかな?噂によると三年生は一人出たらしいぞ、これは楽しみだな!」


座間さんは嗜虐的な表情で騒ぐ。


うるせぇ、もしそれがお前の場合、どうするんだよ、ざまぁか?座間だけに。


あ、こんな事をしている場合じゃない、俺も早く確認しないと。


運命の、結果ぁ~発表ぉぉ~!


「ステータスオープン」


――――――――――――――――――――――――

【名前】自然 関弥

【レベル】1

【次のレベルまで】あと 2 経験値

【HP】10/10

【MP】5/5

【力量】3

【頑丈】3

【俊敏】3

【知力】3

【器用】3

【幸運】3

【スキルポイント】0

【固有スキル】なし

【スキル】なし  タップで選択

――――――――――――――――――――――――


よし、第一関門突破!

目の前の半透明の板を見て、俺は内容を吟味する。


HPとMP以外の数値は全部3、それ以上の数値が出るのは、大体軍人、警察やアスリート、3は割と平均的な数値なので、心配する必要がない。


――――――――――――――

【器用】3         |      お  は  ス  と

【幸運】3         |      前  出  テ  り

【スキルポイント】0     |   数  は  だ  タ  あ

【固有スキル】なし     |   美  ?     |  え

【スキル】なしタップで選択 |            ス  ず

――――――――――――――


                ――――――――――――――

 う わ           |【器用】3          

 ん た           |【幸運】99          

   し           |【スキルポイント】0    

   も           |【固有スキル】なし     

               |【スキル】なしタップで選択 

                ――――――――――――――


あれ、今ちらりと見たけど、数美の【幸運】、バグってない?明らかに数値がおかしいけど。


「ちっ、今年は落ちこぼれなしかよ」


そして何故か全員がステータス獲得した事に悪態をつく座間さん。


「全員無事ステータスを獲得したな、次はこれだ」


職員さんは背負っているリュックを下して、中から食欲そそれなさそうな色をした果実を取り出した。


「皆並んで、一人一つ取ってください、貰ったらすぐ食べてください、異界局ツンフトの職員以外、持ち出しは違法なので、ご注意ください」


それを聞いて座間さんは列を乱して、一番を取る。


「あれが目覚めの実か、実物は始めて見るな、皮に唐草模様があるだと思った、違うか」

「それ、別の作品の話でしょう?」


いや、名作だよな、デイブレイクの前に完結良かったな、あの後は漫画どころの時代じゃないから。


「下らない感想はやめて、私たちも並ぼう」

「そうだな」


第二関門、いよいよ始まる。


ステータス欄に書いている固有スキル、これは、さっき言った果実を食べて初めて顕現する、覚醒するスキルは人それぞれ、同じスキルも出るが、強力なスキルは基本一人しか持っていない。


固有スキルにもランクが付けられている。


下から上の順は


ノーマル(N)、レア(R)、スーパーレア(SR)、アルティメットレア(AR)


そして、最後、基本一種類一人しか持っていない


ユニークレア(UR)


ここでいいスキルさえ引けば、バラ色の人生が待っている。


職員さんから貰った果実を一気に飲み込む、うん、美味くも不味くもないな、何とも言えない味がする。


さぁ、いざ勝負!


今日二回目の


「ステータスオープン、固有スキル表示!」


――――――――――――――――――――――――

【自然】

【ランク】n

一部を除き、全てのステータスが自然に成長する。

――――――――――――――――――――――――


……はぁ?


ランクn?


Nじゃなくてn?


それに説明があやふやすぎるだろう!


まるで意味が分からんぞ!


いや、まで、ステータスの他の部分を表示すれば、何か分かるかも。

俺は急いでステータス欄をいじる。


――――――――――――――――――――――――

【名前】自然 関弥

【レベル】1

【次のレベルまで】あと 2 経験値

【HP】EXP(10)/ EXP(10)

【MP】EXP(5)/ EXP(5)

【力量】EXP(3)

【頑丈】EXP(3)

【俊敏】EXP(3)

【知力】EXP(3)

【器用】EXP(3)

【幸運】EXP(3)

【スキルポイント】0

【固有スキル】【自然】タップで詳細

【スキル】なし  タップで選択

――――――――――――――――――――――――


……


なぁにこれぇ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る