カーシニゼーション(二)

 さざ波がクロックスのサンダル越しに足を襲った。

 ぼくは構わず、海へ向って歩きはじめた。真夏とはいえ、夜の海は心地よかった。

 しばらくの間、ぼくは海風に身を任せた。

 すると、胃が心地よく温まりはじめた。

 そして、海の中から、いろいろな生き物の声が聞こえはじめた。

 それから、水面へ倒れ込んだぼくの体は変身をはじめた。

 一匹のカニへと。

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