第28話 四人での昼食と幼馴染に降りた天啓
とりあえず、これで私がやるべきことは終わったかな。
瑠衣君って相当に変な修羅場に巻き込まれてるな~
陽くんも解決したがってるし、私も個人的に瑠衣君には借りがあるからここら辺で返済しとかないとね。
「瑠衣君の問題はまあ、来週のアレで何とかするとして。噂の件も上手くいくと思うんだけどな。犯人は十中八九例の幼馴染だろうしね。個人的には話しか聞いたことないけど嫌いなんだよね」
私は優しい人が好きだ。
だから、いつも人に馬鹿みたいに優しい瑠衣君のことが大好きだ。
勿論、瑠衣君のことは異性としては全く好きじゃない。
瑠衣君は自己犠牲をし過ぎる所がある。
そんな恋人はヒヤヒヤしてみてられない。
だから、私が瑠衣君のことを異性として好きになることは金輪際ないと思う。
「魅力的ではあるんだけどね。瑠衣君は」
陽くんも凄く優しいけど自分のこともしっかり大切にしているところが好き。
私が恋人にするのは陽くんみたいな人。
というか、もう陽くん以外と付き合う気なんて全くない。
手放すつもりが無いのだ。
「さて、そろそろ寝ましょうかね。夜更かしは美容の天敵だもの」
私は一人でそう呟いてベッドに入る。
明日から何をするべきかを考えて。
◇
「次の土曜日デートに行かないか?」
「行く! 絶対行く! どこ行く!?」
朝の登校中に愛夏をデートに誘うととんでもない勢いで食いついてきた。
それは嬉しい事ではあるんだけど、あまりにも食いついてくるので少し面食らってしまう。
「水族館とかどうだ? 俺達そう言うデートスポット的なところに行ったことなかっただろ?」
「確かに! 私水族館凄く好きだよ!」
「ならよかった。じゃあ、次の土曜日に水族館に行こうか」
「やったぁ!」
こうして俺たちの土曜日の予定は決まった。
最近、愛夏の噂の件で頭を悩ましていたから息抜きは必要だ。
それに愛夏とイチャイチャすることができるならもはや何でもいい。
莉愛の件だったり噂の件だったりで最近意外と疲れが溜まっているのかもしれない。
「おはよ~朝からイチャイチャしてるね。お二人さん?」
「おはよう莉愛。今日は陽太と一緒じゃないのか?」
「うん。陽くんは朝練だからね。もう学校にいるはずだよ。愛夏ちゃんもおはよう」
「おはよう。神楽坂さん」
誰とでも仲良くなれる愛夏にしては珍しく、莉愛とは少し距離を置いているようだ。
理由は何となく察せるけど、2人には出来るだけ仲良くしてほしいと思ってしまうのは傲慢な事だろうか?
「ありゃ~嫌われちゃったかな?」
「まあ、彼女がいる男にベタベタするからだろ。変な誤解を生むからやめろと前々から言ってるだろうが」
昨日話した通り愛夏は嫉妬しているらしい。
まあ、莉愛が俺に全く気が無いのを知らないから仕方がないもかもしれないがな。
「本当に私は瑠衣君のことを狙ってないからそこら辺は安心してほしいんだけどな~私陽くん一筋だしね。だから、愛夏ちゃんとできれば仲良くしたんだけど?」
「はぁ~相変わらずお前は距離の詰め方がおかしいよな。まあ、俺としても莉愛と愛夏が仲良くしてくれると嬉しいな。もちろん愛夏がこいつのことを嫌いって言うんなら無理しなくてもいいぞ。何なら莉愛と縁を切ってもいい」
「……瑠衣君、流石に私の扱いが雑過ぎない?」
ジト目で見られるけど仕方ないだろう。
親友の彼女と自分の彼女。
どっちのほうが優先順位が高いかと聞かれれば言うまでもないだろう。
「瑠衣君はそういう所きっぱりしてるからね。でも、今の会話で神楽坂さんが瑠衣君のことを恋愛的に見て無いってことはわかったから仲良くなれそう! 改めてよろしくね神楽坂さん」
「莉愛でいいよ~私も勝手に愛夏ちゃんって呼ばせてもらってるし」
「じゃあ、莉愛ちゃんこれからよろしくね」
朝から美少女二人に挟まれてるからか、周囲の視線が痛い。
「うん! じゃあさ、今日のお昼四人で食べない? 私たちと陽くんの四人でさ」
「……えっと」
愛夏が悩ましそうに俺に視線を飛ばしてくる。
昼飯はいつも俺と二人で食べてるから確認を取ってくれているのだろう。
俺も愛夏と二人きりで食べたいけど、莉愛はまだこの学校に慣れてない。
それにたまには大人数で食べてみるのもいいだろう。
そう思って俺は愛夏に向かって頷く。
「うん。じゃあ、今日のお昼はみんなで食べよっか!」
「やったぁ~今日のお昼が凄く楽しみだな~」
莉愛はニヤニヤしながらそういう。
あの表情は何かを企んでる表情だけど、少なくとも俺たちに危害がないことを信じて俺は今日の昼を待つのだった。
◇
「なんなの! あの女」
瑠衣と親しそうにしてるつい先日転校してきた女。
私が知らないうちにあそこまで仲良くなってるなんて意味わかんない!
せっかく泥棒猫の悪い噂を流して瑠衣を取り戻そうとしてるのに。
ここにきてイレギュラーなんて最悪。
「噂は良い感じに広まってるけど、多分噂だけじゃダメな気がする。もっと決定的な何かを突きつけないと」
そこまでしないと、あの女から瑠衣を取り戻せない気がする。
でも、これ以上どうやってあの女を陥れるか。
私が直接関与をするわけにはいかない。
もし、それがバレてしまったら大変なことになるから。
「他に何か利用できそうなものは……」
私は次の瞬間、天啓を得たかのような閃きが下りてきた。
それを実行するために使える駒を探し始めるのだった。
◇
「お前……一ノ瀬さんから毎日弁当を作ってもらってたのか!?」
「まあな。毎回凄くおいしくて、学校に来る楽しみの一つだな」
「すっかり胃袋を掴まれてんだな。なあ、莉愛? 俺にも弁当を作ってもらえたりは……」
「私、料理の自身は無いんだけどそれでもいいなら」
「あ……やっぱりいいです」
昼休みに空き教室で四人で弁当を食べていた。
そう言えば、莉愛は料理が苦手だったな。
少し前にも陽太にお菓子を作ったらしいけど、ダークマターになったらしい。
陽太がそれを頑張って食べていたのを覚えている。
「空風君と莉愛ちゃんって仲いいよね。付き合って長いの?」
「いや、まだ一年くらいだよ~」
「というか、一ノ瀬さんたちに仲いいって言われたくないぞ。付き合ってすぐなのにすごいバカップルじゃないか」
ジト目で二人から見られるけど、何も反論ができない。
だって、愛夏が可愛くて愛おしくて仕方ないんだからしょうがないじゃないか。
「そ、そうかな。えへへ」
「愛夏ちゃんすっごく可愛い! 瑠衣君私がもらってもいい?」
「良いわけあるか。愛夏は俺の彼女だ。誰にも渡すつもりはないぞ!」
こんな会話をしながら俺たちは昼の時間を過ごした。
二人でイチャイチャする昼の時間もいいけど、今みたいに四人でワイワイするのも楽しかった。
たまにはこんな風に四人で昼ご飯を食べてもいいのかもしれないと思う。
愛夏も楽しそうだったしな。
「なあ、瑠衣」
「なんだ?」
教室の戻っている最中、俺は陽太と二人で話していた。
前を歩く莉愛と愛夏は楽しそうに何かを話していた。
この昼休みの間でとても仲良くなったようで安心する。
「近いうちに莉愛が何かやらかすかもしれないから気を付けてくれ」
「……やらかすって何をだよ。てか、どう気をつければいいんだよ」
「わからん。もしかしたらってだけだから。ま、一応な」
「えぇ~」
いきなり陽太が告げたことに不安を覚えるけど、なにが起るかわからない以上警戒しておかないといけなくなった。
本当に莉愛はトラブルメーカーだとつくづく思った。
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