第21話 四日目④ 報告

 中では何が起こるかわからないので、一先ずここまでのことをテディに報告することになった。俺が【防音】の魔法をここら周辺に、イグが通信用の魔法陣を展開すると、テディのホログラムが浮び上がる。向こうからもこちらの姿は見えているみたいで、手を振れば振り返してくれる。


「聞こえるか?」

『問題なく聞こえているわ。報告があるの?』

「うん、実は__。」


 テディと別れてから起こったことを一つ一つ説明していく。時折アルとイグが口を挟みつつ、俺が中心になって報告していった。それをテディが無地の本に書き取っていく。

 エルフの長から許可を貰っていたので、テディにもドライアドの件を報告したときには驚いた顔をしていたが、それは一瞬で納得に変わったようだった。


『まあ、何ていうか……トーマって人たらしなところがあるから?ドライアドちゃんが懐くのも分かるわあって思って』

「確かにな。ドライアドからしたら会話できる人間ってだけでも珍しいだろうが、その様子じゃドライアドの話に勢いよく食いついたんだろ。何の変哲もない話題に死ぬほど感謝されたら、そりゃ懐くわって俺でも思う」

「そうかな……悪い影響はなさそうだしいいけど」


 全くもって自覚はなかったが、褒められて悪い気はしない。一先ず報告を終え、明日から魔王国に入ることを伝えて通信を切った。

 それから食事として、焚き火で干し肉を軽く炙って食べ、寝る準備に入る。魔物が出る場所からは離れているものの、いつ襲われるかは分からない。一人づつ見張りに立って交代で眠ることに決まった。

 俺が慣れていないうちから一人でやらせるのはどうかと言われたが、三人での交代で二人ずつ立つのは負担が大きすぎるからと諌めて、一人づつ見張りに立つことになった。俺にはコタローもいるし、何かあれば俺より先にコタローが気付くだろう。

 それでも眠る時間が分かれる中間の交代役はキツイだろうからと、イグ、アル、俺の順番で見張ることにした。イグが先で俺が後なのは、言わずもがな、イグが朝が弱く俺が朝に強いからだ。

 眠る時間が少なくなるのは変わらないので、さっさと俺は眠りにつき、アルに起こされるまで眠っていた。イグがどうだったのかは分からないが、アルは見張りに慣れているようで、俺を起こしに来たときも平気そうな顔をしていた。そうして何事もなく、夜が明けていく。

 夜が明ける風景を見たことは地球の時含めなかったが、段々と空が赤く染まり明るくなっていく様子が、こんなにも幻想的で美しいとは思わなかった。いいものを見てしまったと、密かにテンションが上がる朝の訪れであった。

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