第2話
「何かあれば報せを。今はここも動ける状態にありますから」
見送りに出てきた
「ありがとうございます。そのようにいたします」
涼州の山岳地帯は総じて厳しい。
冬になりつつある闇の山岳へ向かって、発とうとする趙雲をしっかりと見つめた。
蜀も色々な人材が増えて来たが、どんな人材が増えて来ても、
【
兵を率いらせても優れた武将だが、こうして単騎で動いても、どんな危険地帯だろうと物ともせず戻って来る。
自分よりもずっと若い青年だったが、
「趙雲将軍。今回の魏軍ですが……こちらでも布陣を探らせていますが、魏軍に詳しい者に確認させたところ、陣中に
「郭嘉……」
趙雲は初めて聞く名だった。
「はい。
「新しい軍師ですか?」
「それが……新しい軍師かと言われると返しに困りますが――
趙雲殿がご存じないのも当然だと思います。
重病だったそうで、私も幾度か、風の噂で病没したという話を耳にしました。
なので、死んだと思っていたので今回涼州
「
「曹操の腹心ですが、まだ二十代の若者です。
というのも、幼い頃から神童と謳われる才子だったようで、曹操が手元に置いて少年の頃から様々な戦場に連れて行っていたとか。
大病を患う前は北伐を行っていたので、貴方はご存知ないのだと思いますが、それより前も任官を受けないまま曹操と行動を共にしていたらしいので、もしかしたら殿ならご存知かも知れません。
そういった特殊な事情があるので、一部の者しか
「
「曹操が非常に評価していた青年のようです。
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