第9話 淡い希望を持ったとしても
会長に退職の相談をしてから二ヶ月ほどして、Mは、Bが自分を退職に追い込む意志が弱まったように感じていた。Mが薄利の象徴になった原因は、営業担当として当時の会社の方針に従ったからであってM自身が責任をとるべき人物でないことも理解され始めていたし、今となっては多くの権限をはく奪されたMがBの方針に表立って反抗できるような状況でもなかった。なにより表面上は株主の戦略に沿って行動していた。あるいは社内改革がひと段落して、B自身がP社への株式売買交渉に興味が移ったことも合いまったのかもしれない。
自分は耐え抜いて、P社が高値で当社を買い取り、会長も自分も返り咲く。顧客離れを解消し、現状の問題を解決するために働く。こんな絵を想像しては、それだけを希望に、Mは日々、黙々と生き続けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます