読み始めは「よくある令嬢もの」だと思っていました。婚約者がいるのに他国の姫にうつつを抜かす王子……。「ああ、この手の話ね」と誤解してしまいそうになります。
ですが、作者様に伝えたい。もったいないです!お約束の展開とはいえ、これほどの名作が入り口で誤解されてしまうなんて……。(偉そうなことを言ってすみません!)
楽団が登場すると、ワクワクが止まらなくなります。
世間知らずの公爵令嬢ルイーズが、平民中心の楽団に入る物語。王子の婚約者である彼女は、驚くほど世俗を知りません。地味にしたつもりの服装は、平民なら一目見て驚かれてしまう始末。日ごろ使用しているバイオリンは屋敷が買えるほどの逸品。そんな彼女の「勘違い」も楽しみの一つです。
何より、楽団員たちが皆、魅力的でいい人ばかり。彼らの中でルイーズが成長していく姿は、令嬢物語でありながら、深く温かい人間模様を描いています。いわゆる気分が悪くなるような胸くそ展開がなく、最後まで気持ちよく読めるのも魅力です。
作者様に代わって声を大にして言わせてください。読んで損はさせません!まずは楽団に入るところまで、ぜひ読み進めてみてください!