第17話 楽しい水泳授業

 夏休みまで、あと1週間まで来たぜ!


 まぁ、それまでは難儀な授業が続くんだけど。

 特に、体育とかさ。


 が、この時期の体育はそれ程でもない。

 って言うのも、学校側も熱中症を警戒してる。だから6月後半位から、室内競技…体育館でやる競技スポーツになる。流石に剣道とかじゃないよ。あれは体育じゃなくて武道(男子のみ)だから。


 県立とはいえ、新設校だけの事はあるよ。

 体育館はそれなりに空調が完備されてる。


 それでも動けば、結構汗だくになっちまうけど。


 7月になっても、そのままだと思ってた体育の授業。昨日の時間割報告で「明日の体育は水泳です」と連絡係の山南が言った時、俺達は歓声をあげてしまったよ。

「コラコラ、静かになさーい」

 戸畑先生戸畑っちが注意して。

 その歓声が、更に大きくなってしまったのは、

「女子も同じく、明日は水泳です」

 連絡当番となっていた委員長の前原の声のせいだった。

「だから、静かに!」

 女子の声は、半々だ。

 プールに入れる事を喜ぶ者と、男子と同じプール授業な事を嫌がる者と。

 これを回避する為に、女子が理由にするのは「が始まりました」なんだけど、授業を見学する理由として正当なモノだから体育教諭も拒否する事はない。が、本当にそうだと言う父兄署名入りの許可申請が必要となる。勿論、提出先の体育教諭も女性。流石に女子の体育を男性教諭が見る事は本校ではない。今の世の中、色々あるみたい。


「プールはいいけど」

「あの男子の喜び様って」

「どうする?祐美」

「別に。私は入るわよ。熱でも出さない限りね」

「うーん、申請、めんどくさいんだよねー」


 これは、期待出来る?


「ね、ユキヤはアタシの水着姿、見たいよね」

「モチ」

「フフ、しょうがないなぁ。ビキニじゃないのが残念なんだけどねー」


 そういって金井カナブン胸を張る。

 バカでかい、ボタンが飛びそうになる程の胸を。

 そのせいで、眩い白い谷間が見える隙間が広がってきてる。


「あのな」

「今度、一緒に水着、買いに行こ。ユキヤ、どんなの着て欲しい?」


 途端にあがる、冷やかしと怨嗟の声。


「くくっ、カメぇー!よくも毎回、独り身彼女無しの俺等に見せつけやがってぇー‼︎」

 柳谷、毎回絡むなぁ。


 翌日。3時限目だから11時。

 結構、クソ暑いよ。いくら何でも、屋内プールにはならないからね。まあ、水泳帽とゴーグルは必須だけど。

 着替えは、やっぱ俺達男子が早い。

 プールに先に着いて、準備運動に入る。体育教諭の太田は、UVケア用のラッシュガードを羽織ってる。下は普通にトランクスタイプ。

 男子スクール水着はトランクスタイプがメインだ。水泳部の奴らはブーメランタイプみたいだけど。あれ、モッコリが目立つんだよなぁ。

 金井カナブンが言うには、「ユキヤの、逞し過ぎ」って。そんなサイズだとは思わないんだけどなぁ。


 そうこういている内に、やがて賑やかな声が聞こえてきた。


「お、おい!」

「こ、ここは天国か?」

「うー!2組と合同で良かった。本当に良かった」


 体育は通常、男女別々だ。

 だから1クラスだけじゃ人数的にも少ない為に、2クラス合同で行う事になってる。

 俺達2組と合同で体育を受けるのは5組。

 彼等5組が言うには、「いや、医学上は女子だろうけど」と、ある意味甚だ失礼な物言いだ。


 でも、水着姿の彼女達を見てると、綺麗所がウチ2組の女子だなぁって思うのは間違いない。


「おおおおー!すげぇ‼︎」

 2組処か、学年一とも言われる美少女~前原祐美。そのスタイルの良さは、スクール水着でも際立ってる。隣りに金井カナブンがいるから、それほど大きくは見えない胸も、他と比べると充分なボリュームがある。何より、黄金律?スタイルのバランス身体のラインが美しい。

 ハーフの絵里エリー・神崎の胸とケツのデカさは想像以上だし、筈の金井カナブンの胸も、こうしてみるとやっぱデカいよ。

 ロリッ娘の原囿も背は小さくとも胸やケツはやっぱ高校生だ。全然ペタンコじゃない。

 長身の兎波や望月もスレンダーだけど、貧乳癖にはたまらない身体付きだし。


 他の女子も、意外な胸デカやメガネ無しが可愛かったりで。そういうのが、ほぼ2組なんだよね。


「見過ぎ。授業中だよ?」

 そう言う前原も、決して男子の視線を嫌がってなくて。


「ここまで、露骨にストレートな視線丸出しじゃね。いっそ清々しいし、拒否感より多福感が微妙に勝るわ」


 ありがたい話です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る