閉話 夢

私はある夢を見た。

前世私が死んだあとの夢だ。


お母さんたちが泣いていた。

冷たくて青白い私の顔を見ながら。


「三葉」


と言いながら。


「お母さん」


私が声をかけても反応しない。

喋りたい一言だけでも。


そう願っても届かない言葉。


私は泣いているその姿を見ることしかできなかった。


「お母さん、お母さん、、、、」


何度も呼ぶ。

だが届かない声。


私だって死にたくなかった。

別の世界で生きれても。

同じ親でも。


この世界のお母さん、お父さんだからこそ良かった。


幼い頃

公園で走ったりボールを使って楽しく遊んだ。

風邪を引いたとき

優しく看病をしてくれた。

いつでも一生懸命

大好きな食べ物も、大嫌いだった食べ物も作ってくれた。

この世界でつくった、ここにしかない " 大切な思い出 "


でも戻れない。

見ることしかできない。


私はこう言う。


「お母さん、お父さん今まで大切に育ててくれてあありがとう」


言葉は届かなかったかもしれない。

だが少し表情が柔んだ気がした。


        ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇       


朝、私は目覚めた。


とても悲しく、大切なことを言えた。

そんな夢を見た。

そう感じた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


短いですが閉話なんでしょうがないですよね?


・・・・・


次回長くします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る