第6話 王都ギルド職員アンナ

騒いでいるとギルマスがやってきた。


(クラン王国王都クラン ギルドマスター ミレンナ:男装)

なに騒いでるんだ。


(クラン王国王都クラン ギルド職員 アンナ:女)

酷いんですよ、ナギサさんが私の青春を!(涙目)


(王都ギルドマスター ミレンナ)

お前の青春?


(王都ギルド職員 アンナ)

ナギサさんがせっかくくれた残飯、食べようとしたら取り上げて燃やしたんです!


(王都ギルドマスター ミレンナ)

そりゃそうだろ!


(王都ギルド職員 アンナ)

なんでです!間接キスですよ!いえ、唾液がある分、ディープキスです!


(王都ギルドマスター ミレンナ)

その変態思考にどん引きだわ!


(王都ギルド職員 アンナ)

私の青春、返して(涙)


(王都ギルドマスター ミレンナ)

お前、今日、上がって良いぞ(ため息)

で、そのご令嬢はどこのヤツだ?


(王都ギルド職員 アンナ)

ギアドラン家の一人娘、マリー・ギアドランです。


(王都ギルドマスター ミレンナ)

ギアドラン伯爵家か……面倒だな。


(ナギサ)

伯爵だと上位貴族ですね。


(王都ギルドマスター ミレンナ)

それもそうなんだが、一人娘だけに……だ(ため息)


(ナギサ)

我儘と。


(王都ギルド職員 アンナ)

我儘でお転婆の問題娘です。


(ナギサ)

あちゃー、変なのに関わっちゃったなぁ……


(王都ギルド職員 アンナ)

気をつけてくださいね。

で、ナギサさんは甘いものは好きですか?


(ナギサ)

好きだけど?


(王都ギルド職員 アンナ)

なら、今から行きましょう!新しくできた甘味処があるんです!かなりの評判です♡


(ナギサ)

いや、仕事中でしょ?


(王都ギルド職員 アンナ)

今、ギルマスが上がって良いって。


(王都ギルドマスター ミレンナ)

いや、やっぱり最低定時まで仕事しろ、残業はあるかもだがな。


(王都ギルド職員 アンナ)

えぇぇぇっ!!!私の青春!!(号泣)


(王都ギルドマスター ミレンナ)

ああ、分かった、分かった、上がって良いよ(ため息)


(王都ギルド職員 アンナ)

やったぁ〜!!

 

(王都ギルドマスター ミレンナ)

ナギサ、気をつけろ。

コイツは超が付くバリタチでドSだ。


(ナギサ)

えっ?(照)


(王都ギルド職員 アンナ)

あっ、照れた、照れた!

ひょっとして、ネコちゃんなのかなぁ(ニヤッ)


(ナギサ)

違います(汗)


(王都ギルド職員 アンナ)

まぁ良いわ。

甘味処、行きましょう(ニヤリ)


(ナギサ)

今日はやめときます。


(王都ギルド職員 アンナ)

大丈夫、お姉さんが奢るから(獲物を見る目)


(ナギサ)

いえ、じゃあ、また今度(焦)


(王都ギルド職員 アンナ)

お姉さんと行くよ、甘味処♡(捕食者の目)


(ナギサ)

・・・はい……



アンナに甘味処に引きずっていかれたナギサだった。


(王都ギルド職員 アンナ)

ここパフェが、これこれ、これが美味しいの、看板メニューね。


(ナギサ)

そうなんだ、じゃあ、このケーキを。


(王都ギルド職員 アンナ)

おい!


(ナギサ)

あはは、じゃあ、そのパフェにする。


(王都ギルド職員 アンナ)

私は今日はどうしようかなぁ……こっちのパフェにする。



注文する。

しばらくすると、テーブルにきた。

一口食べるナギサ。


(ナギサ)

!美味しい!


(王都ギルド職員 アンナ)

でしょう!果物の甘さを活かして甘味を出してるんだって。


(ナギサ)

これ凄いよ、それなら更に凄い!


(王都ギルド職員 アンナ)

こっちも美味しいよ?一口食べる?(ニヤリ)


(ナギサ)

そうだねぇ……もらおうか。



ナギサはスプーンで取ろうとすると……


(王都ギルド職員 アンナ)

ナギサさん、はい、あ〜ん♡


(ナギサ)

えっ?


(王都ギルド職員 アンナ)

良いじゃん、良いじゃん、はい、あ〜ん♡(捕食者の目)


(ナギサ)

ま、まぁ、はい。



ナギサはアンナのスプーンにパクついた。


(ナギサ)

!これも美味しい!


(王都ギルド職員 アンナ)

でしょう!(はぁ♡はぁ♡はぁ♡ はぁ♡)



アンナはナギサが咥えたスプーンを舐めしゃぶりながら光悦の表情を浮かべていた。


(ナギサ)

アンナさん?ダメだこりゃ(ため息)



ナギサは甘味をアンナは甘味とナギサに"あーん"したスプーンを堪能して、甘味処を出た。

ナギサは自分の分と、アンナの分の半分以上は食べる事になった。

その後、アンナの買い物に付き合わされる。

ナギサも買い物自体は嫌いじゃないので楽しんでいた。


(王都ギルド職員 アンナ)

こうしてるとデートしてるみたいですね、ふふふっ♡


(ナギサ)

そ、そうでつね……



ギルドの受付嬢が、特定の冒険者と依頼料も無しに連れ回して良いのか?


(ナギサ)

あのう……これ、ギルド規約違反にならないですかね?ははは(汗)


(王都ギルド職員 アンナ)

なんで?オフに食事や買い物に行くのは規約違反じゃないですよ?

現に受付嬢が冒険者と結婚するケースもありますから(ニヤッ)


(ナギサ)

そ、そうでつか……(怖)



その後、夕食に誘われるが……


(ナギサ)

あのう、バリネコ亭で食事しないといけないので。


(王都ギルド職員 アンナ)

良いの、ちょっと行ってくるから待っててね。



そう言うと、広場にナギサを残し、どこかに走って行った。

しばらくして走って戻ってくるアンナ。


(王都ギルド職員 アンナ)

今日のバリネコ亭の食事はキャンセルしてきました。


(ナギサ)

いや、それは迷惑だろう?


(王都ギルド職員 アンナ)

お代の5倍払ったら、快くキャンセルしてくれました♡


(ナギサ)

もはや執念だな(ため息)



そのままアンナお勧めの酒場に連れて行かれるナギサ。


(ナギサ)

酒場なんだ……


(王都ギルド職員 アンナ)

そうですよ、1日の終わりはやっぱり酒です!


(ナギサ)

アンタおっさんか!



しかしそんな事は関係ねぇ〜とばかりにエールを頼んでメニューも頼む。

ボア肉のステーキ、ホーンラビットのソーセージ、ファイアホークの照り焼き、キラーフィッシュの塩煮込み。


(ナギサ)

照り焼きあるんだ……

って、頼みすぎてません?こんなに食べられるの?


(王都ギルド職員 アンナ)

にゅ?2人前ですよ?これぐらい要りますよ。


(ナギサ)

は、はぁ……



しかし、飲む飲むアンナさん。


(王都ギルド職員 アンナ)

にゃぎさしゃぁ〜ん、にょんでるぅ〜♡


(ナギサ)

飲んでますよ、お酒ダメなんで果実水ですが。


(王都ギルド職員 アンナ)

にゃんだ、飲まにゃきゅあラメでちゅよぉ〜♡


(ナギサ)

はいはい。

しかし照り焼きがあるとは……

まぁちょっと違うけど、これはこれで美味しい。


(王都ギルド職員 アンナ)

ここにょは、とれもおいちいんれふ。


(ナギサ)

たしかに美味しい。


(王都ギルド職員 アンナ)

にゃはは♡げっぷ♡おかみしゃぁ〜ん、エーりゅぅ〜!


(店主:女)

アンタほどほどにしときなさいよ!


(王都ギルド職員 アンナ)

はぁ〜い♡



食べる量も結構食べてるが、エールが7杯目とよく飲む。


(ナギサ)

そんなに飲んで大丈夫?


(王都ギルド職員 アンナ)

にゃはは、大丈夫にゃ♡よし、〆にぶどうの果実酒ぅ〜!


(店主:女)

はいよ、いつになく飲んだね。


(王都ギルド職員 アンナ)

今日のお酒は美味い!



なんだかんだで注文した料理も平らげていた。

ナギサもつられて結構食べた。


(ナギサ)

ふぅ、お腹いっぱい。


(王都ギルド職員 アンナ)

食べたぁ〜?


(ナギサ)

食べたよ、美味しかった。


(王都ギルド職員 アンナ)

それは良かったにゃん♡



ナギサが支払おうとすると……


(王都ギルド職員 アンナ)

にゃにしてんれすか、わたひが払うんれす、うぃっ!


(ナギサ)

今日、かなり使ったんじゃない?大丈夫?


(王都ギルド職員 アンナ)

らいりょうぶ、らいりょうぶ、にひひ♡



しかし、お会計で真っ青になる……


(王都ギルド職員 アンナ)

あ、あのう……ツケで……


(ナギサ)

まぁまぁ、ボクが払いますから。

それとはい、これ。


(王都ギルド職員 アンナ)

これは??


(ナギサ)

次の給料までの生活費。

飲み過ぎて使っちゃダメだよ。


(王都ギルド職員 アンナ)

ナギサさぁ〜ん!(泣)


(ナギサ)

はいはい、帰ろうね。


(店主:女)

あらあら、良い彼氏ねぇ……私が惚れちゃうわ(笑)


(王都ギルド職員 アンナ)

らめでふ!わらしが結婚するんれふ!


(店主:女)

はいはい、おめでとう(笑)


(王都ギルド職員 アンナ)

にはは♡



これだけ酔ってりゃ、誰も相手にしないわな(笑)

千鳥足だけに肩を貸したナギサ。

そこまで飲んでも吐かないのが凄ぇ〜なと思ったナギサ。


(ナギサ)

お酒強いね。


(王都ギルド職員 アンナ)

にゃはは。

ギルドの受付嬢っへ、ストレス半端ないんでふ。

だかりゃ、飲む!飲んでたら強くにゃった、にゃはは♡


(ナギサ)

まぁ、荒くれ者相手だからねぇ……


(王都ギルド職員 アンナ)

そうにゃんでふよ!

欲に目がくりゃんで、出来もしないクエスト受注しようしたりぃ、ランクオーバーにゃのにねじ込んできたりぃ。

発注側も、こんなシケた報酬で誰も受注しにゃいって言っても聞かなかったりぃ。

お前りゃ死ねって言ひたい!


(ナギサ)

大変だねぇ……


(王都ギルド職員 アンナ)

そう思ふなりゃ、たまにはにょみに付き合っへくらしゃい。


(ナギサ)

分かった、分かった、付き合うよ。


(王都ギルド職員 アンナ)

にひひひひ、約束れふよ。


(ナギサ)

はいはい。

で、家は?


(王都ギルド職員 アンナ)

こっちぃ〜。


(ナギサ)

こっちね。



酔ってるだけに、あっちこっち寄り道しながら家に辿り着く。


(ナギサ)

では、おやすみなさい。


(王都ギルド職員 アンナ)

運んれぇ〜♡


(ナギサ)

はぁ……はいはい。

お邪魔しまーす。


(王都ギルド職員 アンナ)

はいはーい♡寝室あっひ♡


(ナギサ)

仕方ないなぁ……


(王都ギルド職員 アンナ)

みじゅうぅ〜。


(ナギサ)

はいはい。



水魔法でカップに水を出すナギサ。


(王都ギルド職員 アンナ)

ういぃぃぃっ♡

タオルぅぅぅっ♡


(ナギサ)

はいはい、どこ?


(王都ギルド職員 アンナ)

隣いぃぃぃっ♡クローゼットのにゃかああぁぁぁっ♡


(ナギサ)

取れねぇ〜よ!


(王都ギルド職員 アンナ)

でゅあいじょおぶぅ〜、下着持って帰って良いかりゃぁ〜♡


(ナギサ)

要らねぇ〜よ!


(王都ギルド職員 アンナ)

取っへ、取っへぇ〜♡


(ナギサ)

はぁ……



仕方なくタオルを取ってくるナギサ。


(ナギサ)

はいよ。


(王都ギルド職員 アンナ)

ありぐぁとぉ〜♡はい♡みじゅ飲んでぇ〜♡


(ナギサ)

要らないよ(ため息)


(王都ギルド職員 アンナ)

変なもん、入れてにゃいかりゃぁ〜♡


(ナギサ)

逆に怪しいよ(ため息)


(王都ギルド職員 アンナ)

酷いにゃぁ〜♡



そう言うと、アンナは一口飲んだ。


(王都ギルド職員 アンナ)

はい♡飲んれ♡


(ナギサ)

仕方ないなぁ……



ナギサは一口飲んだ。


(王都ギルド職員 アンナ)

もっと、もっとぉ〜♡じぇんぶぅ〜♡


(ナギサ)

はいはい。



ナギサは全部飲み干した。


(王都ギルド職員 アンナ)

うふふっ♡どう?(ニヤッ)


(ナギサ)

ん?なんか盛ったな。

まぁ、毒耐性あるから効かないけど。


(王都ギルド職員 アンナ)

にひひっ♡


(ナギサ)

ん?


(王都ギルド職員 アンナ)

ふふふっ♡


(ナギサ)

あっ♡……ああぁぁぁっ♡



プシャぁ〜と、ド派手に潮を吹いたナギサ。


(ナギサ)

あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡ああぁぁぁっ♡はぁ♡はぁ♡はぁ♡ はぁ♡


(王都ギルド職員 アンナ)

ふふふっ♡ドラゴンにも効く媚薬にょ。

いくら毒耐性があっても、いえ、媚薬に毒耐性は効かにゃかったよね(ニヤッ)


(ナギサ)

なん……で……


(王都ギルド職員 アンナ)

それは子猫ちゃんを美味しくいただくためにょ(ニヤリ)

私にも一口飲ましたにゃん。

もう、身体が疼いて仕方ないにゃ♡

にゅふふふっ♡

いっただっきまぁ〜す♡


(ナギサ)

ああぁぁぁっ♡



ド派手に食い散らかされたナギサだった。

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