カクヨム短歌賞1首部門応募作品

第1話

鯛焼きを背鰭から喰らう君を見て砂時計のくびれとなりぬ


鈍色の僕は麓で石を蹴る高嶺の君の師管は凍る


泣いている理由はわからないけどマスクのふちは受け止めてくれる


雨音の帳を攫う白日と目元腫らして止めるアラーム


世界から逃げたくてつけたイヤホンは君の「好きだよ」もノイズとし


今日もまた朝日が昇る対偶と真偽が一致しないこともある


黒縁の写真立てにて生前葬 積分したら戻ってくるよ


「そういうの明晰夢って言うらしい」落ち着く匂いさえしたハグが?


僕だけで行くはずだった真夏日の星を溶かした空に蒸される


起きなさいここはテストに出ますから解き方知らぬ式と心中


覚えてるあなたに抱き締められたとき肩にかかった腕の重みを

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