蒼い空と流星群
@kashiwada-sakuramoti
第1話蒼い空と流星群
ふわりとカーテンが揺れぼんやりと朝日が差し込む。
「ピピピピッ。ピピピピッ。ピピピピッ。ピピ」
トンっとスマホの液晶に触れ、のっそりと身を起こす。まったくなんなのだ。せっかくの夏休みだというのに。
真っ黒な液晶に自分の顔が映り込む。昨夜泣き腫らした野暮ったい目と涙でささくれた頬。昨日乾かしていないボサボサの髪と、直立不動の前髪……。
スマホを布団に放り投げる。カーテンを開けると、途端に眩しい光が私を襲い、同時に孤独感と切なさが胸を締め付ける。
「カイ……。どうして、……っ」
簡潔に説明しよう。推しが結婚した。いや別に反対しているわけではない。ただこの何となく胸がぽっかりと空いた気持ち。つまり絶賛傷心中である。(しかも一過性の)
「……ぅう。私が、私が幸せにするって言ったじゃんよぉぉぉぉぉぉぉお!!!」
フローリングに四つん這いになって必死に拳を打ちつけるその姿は、華のJKとはほど遠く、ひたすら残念な生き物と化していた。
ひとしきり暴れ回るとお腹が空いてきた。食パンが黄金色になるのを待ちながらアイスココアを淹れる。牛乳で十分に溶かした後、カラカラと氷でかき混ぜる。
「ジジジジ……チン!」
合図の音が聞こえたらトースターから取り出して、あつあつの食パンにバターを落とす。
「んんん。おいしーい!」
サクサク食感の食パンはとろとろのバターと絡み合ってまりあーじゅ?している。二口程食べて、合間にアイスココアを流し込むとほのかな甘さと冷たさが意識を洗練させていく。
「ごちそうさまでした」
満面の笑みでブランチを終える。我ながら単純である。さあ、歯磨きをしようかな。ミントの香料がさぁーっと鼻を吹き抜ける。昨日のバスタオルを洗濯機に放り込み、スイッチを押す。
「……柔軟剤足りないわ」
ここは明日の私のために一肌脱ぎますか。日焼け止めを塗ったくって、最低限の身支度を整え意気揚々と出かけた。
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