第15話 冒険の旅路 — 心の試練を終わらせるために
秋人たちがユスティナ聖徒から新たな力を授かり、再び冒険の道を進む決意を固めたとき、心の中でひとつの確かな誓いが生まれていた。それは、これ以上「心の試練」には挑まない、ということだった。
「もう心の試練はゴメンだ!俺たちは、外の世界で戦い抜くためにここに来たんだ!」
秋人が力強く言う。リリスも怒り気味に言った。
「そうだね。私たちはこれ以上、自分たちの内面に向き合いたくはない!もう十分に向き合ったよ!これ以上、どんな試練も受けたくない!」
「でも、試練を超えることで成長したっていうのも事実だよね?」
ノアが少し冷静に言った。
「ただ、心の試練を繰り返すだけじゃなく、外の世界で行動して結果を出すことが、私たちにとってはもっと大事なことかもしれない。」
「それでも、俺たちの力を試すのは外だよ!」
ミカが顔を引き締めて言った。
「内面の成長にしろ、冒険の途中で感じるものにしろ、今度からはすべて、行動で示していくべきだ!」
秋人たちは、心の試練を乗り越えた後、次の目的地を決めることにした。それは、心の中で解決しきれない問題に直面することを避け、物理的に、または具体的に戦いを挑んでいくことであった。
彼らは再び集まり、次なる目的地について話し合った。
「次の目的地は、どこだ?」
秋人が地図を広げながら尋ねる。
「心の試練から解放された今、俺たちに足りないのは、確かな戦力だ!」
「その通りだわ。もう試練じゃなくて、実戦を経験したい。あたしたちの力を使って、世界を変えるために戦おうね~」
リリスが頷く。
「じゃあ、次は何が待ってるんだ?」
ミカがワクワクした表情で言った。
「心の試練を超えた先には、どんな冒険が待ってるんだろうね!」
「次に行くべき場所は、影の王国だろう。そこには、かつて封印された邪悪な力が眠っていると聞いている。その力が再び目覚める前に、我々がそれを封じ込める必要があるわ。」
ノアが静かに言った。そして秋人が眉をひそめる。
「影の王国?その名前、どこかで聞いたことがある。何か危険な力があるんだろ?」
ノアが地図を指しながら説明する。
「うん、まさにその通り。影の王国は、かつて絶大な魔力を持った影の王が治めていた場所だ。王はその力を悪用しようとしたが、最終的に封印された。だが、近年、封印が破られる兆しが見えてきた。」
「なるほど。じゃあ、俺たちがその封印を完全に閉じ込めるんだな!」
秋人が拳を握る。
秋人たちは、影の王国へと向かうことに決める。道中、彼らは不穏な空気を感じ取りながら進んでいく。深い森を抜け、山を越え、やがて到達したのは、不気味な影が漂う土地だった。空は暗く、地面には裂け目が広がり、空気の中に邪悪な気配が漂っている。
「これが、影の王国ね…。ここには、確かに何か邪悪な力が潜んでいるわね~」
リリスが震えるように言う。
ノアが警戒の目を光らせながら言う。
「気をつけろ。この地には、普通の魔物とは一線を画す闇の力がある。絶対に油断してはいけないわ。」
一行が進むにつれて、目の前に現れたのは、影の王国を支配していた王の城。城の中からは、強大な魔力が感じられ、その力はまるで生きているかのように脈動していた。
「ついに…ここに到着した。」
秋人が深く息を吸い込んで言う。
「でも、この先には何が待っているんだ?」
秋人の問にノアは淡々と答える。
「おそらく、影の王の力そのものね。その王は、封印されているはずだけど、すでにその力が微弱に復活し始めている。早くその源を探し、完全に封じ込める必要があるわ。」
城に足を踏み入れると、周囲はまるで時間が止まったかのような静けさに包まれている。道を進むにつれ、周囲が徐々に闇に包まれ、影が実体化し始める。
「この空気、まるで圧迫されるようだ。」
ミカが肩を震わせながら言う。そして、秋人が剣を抜きながら言う。
「覚悟しろ。ここから先は、どんなに強力な敵が現れても、立ち向かうしかない!」
その時、巨大な影の王が現れる。彼の姿は、まるで漆黒の霧の中に溶け込んだような異様なものだった。漠然としたその姿からは、全てを呑み込む闇の力を感じることができる。
「我が名は影の王、長き時を経て、ようやくこの地に現れたか。だが、私の力はすでに復活している。」
その声は低く、まるで地獄から響いてくるようだった。
「今度こそ、お前の力を完全に封じる!」
秋人が叫びながら前進する。
戦いは、ただの力比べではなかった。影の王の攻撃は、単なる物理的なものにとどまらず、心の奥深くを突くような恐怖と絶望を与えてくる。影の力は、彼らの心を試すかのように揺さぶる。
「これは…厄介ね!こいつの力は、ただの戦いじゃ終わらない!」
リリスが叫ぶ。ノアが冷静に言った。
「心の力じゃない。私たちがこれまでの試練で培った力は、行動で証明しなきゃ意味がないわ。今は、この闇に打ち勝つことがすべてよ!」
秋人たちは、影の王の力に立ち向かい続け、やがてその力の源を発見する。それは、古代の魔法石が隠されていた場所だった。魔法石を手にしたとき、影の王の力が徐々に弱まり、ついに完全に封印される。
「これで、終わったな。心の試練に再び挑まなくても、行動こそが本当の力だってことを証明できた。」
秋人が息をつきながら言う。
「うん。試練を乗り越えたからこそ、今度はあたしたちの手で世界を変えるのよ~」
リリスが微笑む。
そして、秋人たちは再び次の冒険に向かって歩み始めた。心の試練を超えた先に見える新たな世界が、待っていることを確信して。
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