第2話 久しぶりの弟子との再会

「メリア!!今日こそ決着付けるぞ!!」


「ええ!!かかってきなさいアルガ!!」


何と、生前に俺の弟子だったメリアとアルガが、こんな王都のど真ん中で決闘をしていたのだ。


この2人は修行をしていた時からライバルで、メリアは炎魔法の熟練者、アルガは、水魔法の熟練者であり、属性的には水魔法の優勢なのだが、実力が拮抗しているということもあり、よく喧嘩をしては決闘をし、一度森に炎魔法が引火し、アルガに鎮火してもらったものの、2人をこっぴどく叱ったのを覚えている。


その時、周りで見ている観客からの声が、耳に入ってくる。


「十賢者様同士の決闘なんて...そうそう見れるもんじゃないぞ!」


...十賢者...?今では弟子達はそう呼ばれてんのか...と、周りの声からでも情報を集めている時、決闘が始まり、両者ともに魔法を繰り出していく。


「はぁっ!!」


メリアが炎魔法を出し、それをアルガが水魔法の盾で受けきる、教えた事がよく出来ている。


「なんのこれしき!!!」


こんな決闘を見ていると、俺もまた戦いたいものだが...生憎杖が...出てこないからなぁ...


保管場所の防護壁ぶち破って犯罪者はゴメンだしなぁ...出てこねぇかなぁ...


そう思い、ふと空に手をかざした瞬間、黄金色の光が俺の手に降り注ぎ、決闘していた2人も戦いを辞め、俺の方を見る。


「え...な、なんだこれ...」


そんな言葉を呟いた瞬間、俺の目の前に、馴染みのある杖が現れる。


「え...これ...俺の...?」


自分自身もあの洞窟で出なかった時はもう終わったかと思ったが、それが現れた瞬間、メリアとアルガがシンクロして、ある言葉を放つ。


「「お師匠様の...杖」」


その言葉を聞いた瞬間、俺はその場から逃げ出した。


「や、やばい!なんで今出んだよ!あの時出てくれよ!!」


そんな事を言いながら走っていると、後ろから観客をすり抜けて、アルガとメリアが爆速で追いかけてくる。


「君!止まりなさい!ちょっと聞きたいことがあるわ!!」


止まれるかよ!捕まったら間違いなく2人の尋問行きだろうに!!


その時、アルガの拘束魔法が俺に向けて飛んでくる。


「おらっ!!捕まえた!!」


「ちっ...!!体が訛ったか...!!」


俺は逃げ出そうとするも、メリアにも押さえつけられ、その場で尋問が始まった。


「君、なんでお師匠様の杖を持ってるの?」


「え、えーっと...」


その瞬間、アルガの拘束魔法が少し緩んだのを見逃さなかった俺は、魔法を破壊し、杖を出してから、飛行魔法で逃げた。


「詰めが甘いんだよ!アルガ!!」


俺は癖で修行の時に模擬戦をしている時の言葉を自然とアルガに言ってしまう。


「まさか...ほんとに...」


「あ、アルガ!早く追いかけましょう!ほんとにお師匠様...なのかは捕まえればわかることだから!」


「お、おう!!」


俺は逃げきれたと思い少し飛行速度を弱めつつ、何処か着地出来ないかと思っていた時、後ろから轟音を響かせて、メリアとアルガが追いかけてきた。


「あ、アイツら嘘だろ!?」


俺は加速しようとしたが、アルガの拘束魔法がその上を行き、俺は一瞬にしてまた拘束される。


「ちっ...はぁ...疲れた...」


今まで口から出た事が無かったこの「疲れた」という言葉を発した事により、改めてこの体が縮んだ事による弊害を思い知る事になった。


「捕まえたわよ!さあ、話してもらいましょうか...!」


「...はぁ、ここまでか...」


そう口から漏らし、久しぶりの弟子との再会となる...はずだったのだが。


「...久しぶり、2人とも」


そう言ったものの、2人ともまだ疑心暗鬼で、中々信じては貰えない。


「...本当にお師匠様って言うなら...私達によく見せてくれた魔法、あるわよね?覚えてる?」


この質問をされた瞬間、俺の頭には1つの魔法しか思い浮かばなかった。


「ああ...」


生前、俺しかやる事の出来なかった、火、水魔法を複合し、一定の魔力量で出す事で流れる川のように芸術作品の様になるというものを、修行の時に弟子達によく見せ、これを最初の目標にしろとよく言ったものだ。


弟子になった時点で相当の実力があったので、流石に難しいかと思ったが、皆コツさえ教えればすぐに出来るようになったものの、最初見せた時は少しばかり歓声が上がったものだ。


今のこの小さい体でかなり魔力量が減っている状態で出来るのかと、少しの不安はあったが流石に楽勝だった。


そして、その魔法を見せた瞬間、メリアが俺に飛びついてきた。


「お師匠様!!」


「お、おっとっと、メリア...」


「お帰りなさいませ、お師匠様」


飛びついてきたメリアは大号泣し、アルガもポロッと涙が落ちていた。


「ねぇ!お師匠様!なんで体こんな事になってるの!?可愛すぎるんですけど!!」


それから、泣き止んだメリアに抱きしめられながら、アルガに色々聞かれた。


「え、えーっとな?俺...死んじゃってさ、た、多分...転生したのかな...?」


そう言った瞬間、2人が声を合わせて言う。


「「転生!!!!?」」


「ま、まあ...その反応になるとは思ってた、後メリアは耳元で叫ぶな」


「ご、ごめん、お師匠様...」


俺は離れないメリアの頭を撫でながら、アルガと話をする。


「それはそうと...転生とは...えらいこっちゃですね、お師匠様」


「うん...マジで俺も思ってるよ...でもな、俺はもう何するか決めてるんだよ」


「え?な、何をされるんですか?」


「...転生したなら...ゆっくりと過ごしたいなぁって...思ってる」


「...そうですね、お師匠様が言われるなら我々も止めません、応援しています、お師匠様」


「メリアも応援してます!!」


「ふふっ、ありがとう2人とも」


そこからも沢山2人と話しているうちに、空が暗くなってきた。


「おっと...もう夜遅いな...何処か泊まれるとこは...って一文無しだった...」


「あれ、お師匠様文無しなの?」


「え、ああ...まあそうだけど、また魔法で家作ったり...すれば大丈夫!」


そう言うと、メリアが瞬時に返答してくる。


「...お師匠様ってさぁ...その体って...あの時みたいな魔力量あるの?」


「ん?た、多分無いけど...」


そう言うと、アルガも口を開く。


「でしたら...魔法で家を作られると、体内の魔力が枯渇し、最悪の場合...亡くなったりも」


「んなこた...分かってるけど...」


その時、俺は頭の中に天啓のように対処法を思いつく。


「あ!そうだ!」


「な、何か思いついたのですか?」


俺は自信満々に、アルガとメリアに言う。


「成長促進魔法を使えばいいんだ!!」





































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