第6話 飼ってるものは

なぜか、さっきの熊を倒した男の人の家に行くことになった。

「ただいまー!」

男の人は大きな声で家の奥に向かって声をかける(叫ぶ)。すると、奥から男の子の声が聞こえた。でも、男の人の身長が高過ぎて何も見えない。

「おかえりなさい、叶人かなとさん」

この男の人はカナトさん、と言うらしい。

「なんですか、その熊」

男の子に問われ、カナトさんは楽しげに男の子に向かって言う。

「倒したけん、連れて帰ってきた!やけん、飼う!」

男の子は呆れたようにため息を吐いた。

「うちでは飼えませんよ。元の場所に戻してきなさい」

カナトさんわかりやすく肩を落としてしょげる。男の子は困った声で言った。

「飼いたいのは分かりましたけど、この家では、すでに  飼っているでしょう?食費的に熊までは飼えませんよ」

衝撃的な言葉に、俺は思わず声を上げる。

「えーーーーー……」

ケルベロス?……この家、ケルベロス飼ってんだ。ケルベロスって、飼える生き物なんだ。なんで?というか、どっから連れてきたんだろう……。


……この家族、マジで意味わからん

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