転生して祝福の力を持つテイマーとして生きていきたいと思います
@yamatosumi
第1話
目覚めたら、俺部屋の天井ではなく知らない天井?
此処は何処だ、病院の天井でもないような…?
そう言えば、前から歩いて来たフードを被った成年とすれ違った。 【お前達のせいで、俺の一生は終わった。】
何の事だ、俺はお前が誰か知らない。
すると突然真っ赤に焼かれた火箸を腹部に押し当てられたような激痛が走ったと思ったら、血の匂いがした。
俺は激痛がした部分を恐る恐る触ってみると、金属のような冷たい物が手に触れた。驚いて、金属に触れた手を見て見ると、手にはドロリとした血が付いていた。漸く刃物で腹部を刺されて居る事に気づいた俺は、慌てて刃物を引き抜いた。すると、血が流れ出し痛みもさらに増した。
見ると刃物を握った俺の手には、更に血がベットリ付いていた。
俺はこのまま死んでしまうのだろうか?そう思いながら、腹部の痛みで蹲っていると、突然遠くに居る誰かの声が小さく聞こえた気がした。
誰だ、女の人の声のようだが、無機質なAIが喋っている様にも聞こえる。
何を言っているのだろう? 痛みでどうにかなりそうなのに、不思議とその声は、段々大きくはっきりと聞こえ出した。
〖貴方は今から、癒しの力と無限空間収納のスキルを持った少年となり、別の世界で生きて行きます。痛みを無効化し健康な身体を習得しますか?〗
【はい】この痛みを消せるなら早く消してくれ~~。
〖承知しました。痛覚を無効化し健康な身体を習得しました。〗
すると、今迄の痛みが嘘のように治まった。
咄嗟の事で良く考えて居なかったが、さっきの声は誰だ? 確か、スキルを持った少年、別の世界? と言って無かったか、何の冗談だ、俺は腹を刺されて今にも死にそうだって言うのに。
そうか俺も母親の様に死ぬのか。漸く外の世界に出られたというのに。
思い出した! 俺を刺した奴、あれは、俺の従兄弟で、母親の兄の息子だ。
母親の兄妹やその子供達は遺産の分配金にかなりの不満を持っていたようだった。
汚い噂話を流したり、陰でイジメをさせ、俺達親子は家庭まで崩壊させられたのに、それだけでは、まだ足りなかったのか、そう言えば、母親に、従兄弟達の誰かに、世間では、かなり有名な会社の経営者の娘との結婚が破断になった。お前達親子のせいだ、どうしてくれる。と母親が責められ、「何故、それが私のせいなの?」って言って泣いていたな。自業自得のはずなのに。
そうか、あいつの話だったんだな。完全な逆恨みじゃないか。
そう思いながらも頭の中は意外に冷静に、周りで慌てふためく人達を見ていた 「もうすぐ救急車が来ます。気をしっかり持って下さい。」
みんなに優しくされたのは何時振りだっただろう?
これがこの世界での最後の記憶だった。
「うぅん~~~~~~~…⁉」 私は目覚めると暫くボォーと天井を眺めていた。此 処の天井や部屋の感じは、俺の部屋でも病院でも無いが、何故か懐かしい気がする。
俺達が小学校に上がる頃までは、母親の兄妹は仲が良かった。そのせいか、何か理由を付けては良く爺ちゃんの家に、みんなで集まった。
大人が集まると、子供達もそれなりの人数になる。従兄弟達とも仲が良かったせいか、良くかくれんぼや鬼ごっこをして遊んだ、田舎の大きな家。
そうだ、爺ちゃん家の天井に似てるんだ。じゃぁ此処は爺ちゃんの家なのか?
そんなはずはないな。あの家はもうなくなってしまったはずだから。
あんなに仲が良かった母親の家族も、例に漏れず、おじいちゃんが亡くなった後に、お爺ちゃんは生前弁護士に遺言書の作成を依頼していたらしく、遺言書に基づいて遺産の分配が行われた。
みんなの予想に反し、分配金は何故か俺の母親が一番多かった。その為お婆ちゃんの介護は、長男ではなく、母親にすべてを押し付け、兄妹の関係がギクシャクし始めた。
彼等は母親の介護に一切関与しないを貫いた。その為介護費用は当初予定された金額より、段々と増えて行き、母親が受け取った遺産の分配金はほぼ、お婆ちゃんに全て使う事となった。
数年後、おばあちゃんが亡くなると、その溝は決定的に崩壊し、埋まりそうに無いものになってしまった。
勿論俺達、従兄弟同志の関係もギクシャクしてしまった。
田舎の狭い町だ、いろんな噂に尾ひれが付き、母親は精神を病んでしまった。
母親は兄妹三人の末っ子だった。しっかりしている反面、おっとりした性格で、息子の俺から見ても、人をだましたり、疑う事も無かった。
一度だけ、知人に騙されかけた事があり、親父が異変に気付き無事回避出来たが、この時、父親から少しは人を疑う事も大事な事なんだぞ。と叱られていた。
只、僕から見ても、今回の噂の出所ははっきりしていた。それでも母親は彼等を疑おうとせず、親父との口論が日に日に増して行った。そのギクシャクした日々に耐え切れず、ついに親父とお袋は離婚してしまい、親父はこの町を離れて行った。
俺は親父から、どちらについてくるか自分で選べ。と言われた。が、母親を一人に出来ず、この町に残った。
この頃から俺に対しての、集団イジメが始まった。最初は無視、次はゴミ扱い、物が 無くなる、隠される、壊されるのは日常的になり、段々エスカレートして行った。
この時は、高校1年の終わり頃だ。
味方のはずの先生達ですら、僕を信じてはくれなかった。
この頃から、段々学校に行けなくなり、ついに部屋からも出られなくなった。
只、母親の事だけは心配で、話し相手位にはなるようにしていた。が、最後まで母親は、自分を捨てた親父の心配と、兄妹の事を信じていた。
そしてついに、その母親が衰弱して死んだ。
警察から俺が母親を手に掛けたのではないかと、調べられたが、事件性はないと結論が出され、漸く葬儀に参列する事が出来た。
【お袋長い間大変だったな。お疲れ様。ゆっくり休んでくれ。】と祈り送ってあげた。
そして此処に居る今の俺は、どう見ても30歳のオッサンには見えない。
手や足、身体を見ても恐らく少年だと思うのだが…?
あの時、俺はやはり死んだんだな。そしてあの時、聞こえた言葉の通り、ここは地球とは別の世界で、俺は此れからこの少年として生きて行くんだよなぁ。
あの時もう一つ何か言われた様な、何だっただろう…⁉
そうだ…‼ 癒しと無限空間収納のスキルを持つ。とか言って無かったか?
スキル? 俺が元居た地球のゲームの世界では魔法だった気がする。
魔法!? 違う世界ならワンチャンあるかも知れない、もし魔法が使えたら嬉しい。やっぱ魔法に憧れるよなぁ~~。
♢ ♢
ちょっと此処を出て見よう。
「おはよう。グレン身体の調子はどうだい、昨日は親方にかなり厳しく、扱かれて居たようだけど、身体は大丈夫だったかい?」
「おはよう。リリアさん大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」
「そうかい? それならいいけど、親方から酷い扱きを受けた後、グレンが目を覚まさないから心配していたんだよ。それから言いにくいんだけど、グレンが目覚めたら追い出して置けって親方に言われているんだ。許しておくれ。」
「そうだったんだね。」道理でこの身体の記憶からは、暴力に怯えた感情と、怖い男の顔しか見えない。その男は、僕を蹴ったり、殴ったりしながら、「此奴、失敗ばかリ、しやがって、ほんとに役立たずのくせに無駄飯ばかり食いやがって。」と怒鳴なり散らす男と、その横で、みんなは、怯えて声も出せずに、ただ親方の俺への扱きを見て居る姿だった。
「分かった。リリアさんに辛いこと言わせてごめんなさい。僕直ぐに此処から出て行くから心配しないで。」
「すまないね。でもおなかが空いただろう。厨房に行って何か貰って来るから、此処で待っておいで。」
「いいんですか? 親方に知れたらリリアさんもただでは済みませんよ。」
「大丈夫だよ。親方はまだ寝ている時間だから。」
暫く待って居ると、リリアさんは僕の顔位の、焼きたての大きなパン三個とバナナとりんご五個にオレンジジュースをバスケットに入れて、抱えて来てくれた。
「此れだけしか渡せないって、すまないね。」
「いえ、此れだけ頂ければ十分です。ありがとうございます。リリアさん、皆さんお世話になりました。」そう言って、パンと果物にジュースが入ったバスケットを受け取り、工房を後にした。
工房を出ると、そのまま町から離れて道なりに暫く進んだ。
森の外れに小屋が見えたので、その小屋の所まで行くことにした。
小屋を覗いてみたが、暫く誰も住んでいない様子で、中は荒れ果てていたが、一晩だけ、此の小屋を借りる事にした。
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