ばいばい。スノードロップ

花崎有麻

プロローグ

 目を開き、霧島真白が真っ先に見た光景は、窓の外の雪。

 純白で大粒の雪が曇天から舞い散り、そして地面へと積もっていく。そんな光景。

 その雪自体になにかを思うことはなかったが、ただ理解した。

 これが自分が生まれて初めて見る景色なのだ、と。

 後に名付けられる自分の名前と同じ色の雪。

 真白はその光景をしばらくの間見つめ続けていた。

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