第2話
「なんだか……魏軍がそこまで来ていることに全く気付いていないようでした……。
村は確かに南北を縦貫しているようですし、旅人もそれなりに多いようでしたが」
「うん……」
「確かに
もっと東に戻ったら情報が来てるのかもしれないけど。
北への旅人達が多いのに魏軍到着の報せが届いてないということは……」
「知った時に、南に戻って知らせようという人がいないんですね」
「そうだね。南に戻る時も、同じ道を通ってここには戻ってこないんだろう。
そこを通ってるとは思えないんだが……」
「……
この感じであれば軍が近づけば驚き、怯え、逃げ出す者も多いのでは。
村を包囲するだけでも、効果はあるように思います」
「……そうだね。
見たところ、村としての結束は固いように思う。
村長や指導する立場の人間と話して、協力できたら……一番いいんだが」
うん、と陸議は頷いた。
「そろそろ次の村に向かおうか」
「はい」
二人は並んで歩き出す。
「先程の方の話では、
「うん。だけど、涼州騎馬隊が
「はい。最も困るのは北東から攻め込んだ魏軍と抗戦しながら、涼州騎馬隊がこのあたりを抜け、南の
「そうなんだ。
そもそも抵抗があろうとなかろうと、韓遂殿と協議して涼州に残っている騎馬隊は北方に引いて貰うというのが当初の狙いだったから。
本当に最近は涼州騎馬隊が臨洮以南に現れないのなら、早急に
徐庶が考えているようなので
やがて彼は顔を上げる。
「街道沿いにいくつか村がまだあった。
そこでも涼州騎馬隊を最近見ないという話を聞いたら一度調査を切り上げ、一番近い
報せは早いほうがいい。
帰りは少し、急ぐことになるけど」
「はい。大丈夫です。遅れずついて行きます」
陸議がそう言ったので、徐庶は少し目を細めるように笑んで、頷いた。
「じゃあ、急いで元の道を……」
村の入り口に向かって歩き出した徐庶がすぐに立ち止まった。
急ごうとした矢先に立ち止まったので、思わず陸議は徐庶の背中にぶつかってしまった。
「す、すみません」
徐庶が立ち止まって、どこかを見ている。
前方だ。
村の入り口である。
「……徐庶さん?」
何を見ているのかなと思った時、正面から人が歩いてくるのが見えた。
その人物も、何となく辺りを見回しながら村に入って来たが、正面で立ち止まっている徐庶に気付くと、立ち止まった。
「――――
「徐庶⁉」
確かめるように勢いよく駆けてくる。
「
「驚いたのはこっちだよ。
「元気だったか!」
二人は驚いたようだったが、相手に間違いが無いと確信すると笑いながら友人同士は抱き合って再会を喜んでいる。
陸議も突然のことで驚いたが、徐庶が「何人か涼州に友達がいる」と言っていたのを思い出し、その一人が彼なのだろうと思った。
お互いの顔を覗き込んで本当に再会を確かめ、喜んでいるようだった。
一瞬は呆気に取られたが、非常に仲が良さそうな様子に小さく笑みが漏れる。
徐庶は孤独を纏うことがあったから、こうやってはしゃいで再会を喜ぶような相手がいたことに、少し安心したのだった。
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