絶望と無重力の戦場を少女はひとり、戦い続ける
- ★★★ Excellent!!!
【このレビューは第14話時点のレビューです】
主人公エリスは宇宙空間専用の人型兵器B.A.L.A.Dで戦うエース。
それを可能にしている「精神の速度(タキサイア)」――周囲の動きをスローモーションして捉える特異な能力が軍の目に留まり、以来、数々の戦果を上げてきました。
しかし彼女を取り巻く現実は不条理で不公平です。
能力の制御と引き換えに起こる頭痛。
エリスを疎む同僚たち。
そして人質として囚われた妹リア。
リアの存在はエリスにとって唯一の拠り所。
成果によって市民階級を上げようと懸命に戦うものの、世界は2人に優しくありません。
宇宙空間での戦闘描写の迫力はもちろん、登場人物たちの嫉妬や葛藤などの心理描写も巧く、ぐいぐいと物語に引き込まれます。
SF特有の専門用語も自然に織り込まれており、ストレスなく読めるのもおすすめです。
容赦ないスペース・ディストピアで兵士として生きる少女の結末を――ぜひ見届けてください。