第3話・すれ違いと、本音の一歩

それから数週間。

彩花と蓮は、ときどき公園で会うようになった。


蓮はいつも落ち着いていて、彩花の話を笑顔で聞いてくれる。

「高校ってどんな感じ?」とか、「将来の夢とかある?」とか。

中学生の彩花にとって、それはちょっと背伸びした時間だった。


けれど――


ある日、彩花が話しかけようとした時、

蓮の隣に見知らぬ女子高生が立っていた。


「ねえ蓮、最近さ、よくここ来てない? もしかして…」


その女の子が、ちらっと彩花を見て微笑んだ。

だけど、どこか探るような目をしていて。


(あの人…蓮くんの、彼女?)


胸がぎゅっと痛くなって、彩花は「じゃあ、帰ります」とだけ言って走り出した

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