<第1話「01-RIKKI」を読んでのレビューです>
主人公リッキーは、発光しそうなガムを噛みながら、戦闘機を操縦している。彼にとって戦場は仕事以上でも以下でもなく、退屈を紛らわせる舞台のように描かれる。文章は乾いていて、それでいて妙に鮮やかだ。爆撃の場面すら軽口の延長に置かれ、残酷さが淡々とした描写で押し出される。その距離感が独特で、感情に流されるよりも冷ややかに眺めることを要求してくる。
印象的だったのは、
「落としちゃったものは仕方ないじゃないっすか」
という一文である。人命や破壊の重みを平然とスルーする言い回しが、恐ろしくも滑稽だ。倫理や悲嘆を削ぎ落とした言葉の軽さが、作品全体の異様な温度を端的に示している。
善悪や感情移入をいったん脇に置き、登場人物の価値観に身を委ねると面白いかもしれない。残酷さと無関心が並走する文体のリズムを、あえて快感として味わうことで、この物語の輪郭がより鮮明に立ち上がってくる。