アフターストーリー①(タクマ目線)


 朝の日差しが差し込むリビングで、俺はソファに寝転びながら、足元にいるララの頭を撫でていた。


 「できたよ、タクマくん♡」

 「おっ、ありがと~」


 ララが作った朝食──サンドイッチとコンソメスープを受け取り、適当に口に運ぶ。

 その隣で、サナは俺の膝に頭を預けたままスマホを弄っている。もちろん、俺の許可がなければロックすら解除できないようになってる。


 「ふぁ~……やっぱ朝からタクマくんの匂いって落ち着く……」

 「サナちゃん、前より素直になったよね。ちょっと前まで“最低”とか言ってたのにさ~」


 ララがクスクス笑いながら言うと、サナは苦笑して肩をすくめた。


 「……だって、もう逆らう意味ないし。どうせ勝てないし」

 「勝つとか負けるとか、そういうのじゃないんだよ、俺たちって」


 俺は空の皿をララに渡して、サナの頬を指でなぞった。


 「“全部あげたい”って思ってもらえるかどうか、だけ」


 ララとサナが同時に頷く。

 ああ、もうこいつらは完成だ。俺の女。オレのもん。いくらでも甘えてくれるし、好きって言ってくれる。抱きたくなったら、ひと声でいい。


 ──正直、飽きてきた。


 「なぁ、サナちゃん」

 「ん……なに?」

 「大学の女友達とかで、いい感じの子いないの?」


 サナは少し驚いた顔をしたが、すぐに「あー」と思い出したように言った。


 「……水樹先輩とか?」

 「どんな子?」

 「スタイル良くて顔もきれいで……すっごい優しい人。でもちょっと厳しいとこもある」

 「へぇ~。俺好みかも」


 ララがニヤニヤしながら言う。


 「またハーレム作りたいの?」

 「え、だってさ~、せっかくこうして可愛い子に囲まれてんのに、そこで止まるのもったいなくない?」

 「……ほんっとに、タクマくんは……」


 サナはちょっとだけ不満げに唇を尖らせる。でも、俺の視線に気づいた瞬間、すぐに視線を逸らしてこう言った。


 「……紹介してもいいよ。水樹先輩なら、タクマくんに……惚れると思う」


 それを聞いて、俺は口角を上げた。


 「そっか。嬉しいな~。女の子が、女の子を俺に差し出してくれるなんてさ」


 ララがテーブルの片付けをしながら、ぽそっと呟いた。


 「……だって、タクマくんに可愛がってもらえたら、幸せになれるもん」


 ……そうだよな。

 じゃあ、次は“水樹先輩”に、ちょっとだけ手を伸ばしてみようかな。


 ──面白くなってきた。

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