とあるギルドのおっさんの異世界無双。~ならず者しか来ないギルドで働いてたらいつのまにか最強になっていた~
@Aruse-nu
第1話 最強のおっさん
私の名は「カフィー・ロッフォ」。この街、ダートの端っこにたたずむギルド、「インフェルノ」を経営している。
私のギルドはわけあって人があまり寄り付かない。
なぜなら私のギルドにはならず者しか来ないからだ。
だが私はこのならず者どもを嫌ってはいない。私がまだ幼いとき、両親が魔物に殺されたときに私を育ててくれたのはならず者たちだったからだ。そんな環境の中で育った私はもう齢14のときにはそこらへんの剣士よりも強くなっていた。だが私はどうしても戦いを好まず、こうしてギルドを経営して早15年。もう29歳になってしまった。
だから私はならず者であるこいつらを嫌ってはいない。それにこいつらも大事な客だからだ。
「おいカフィー腕相撲しようぜ!!!」
それに私はこういうならず者のノリが好きだ。
「あなたは弱いのでいやですよ。それにあなたはもう何回も負けているでしょう。」
「なんだとカフィー!!」
「おいやめろよ!お前じゃカフィーに敵わねえ!」
「うるせえ!やってみねえと分からねえよ!」
まあ、こういう喧嘩っ早いところは嫌いですが。
(身長192cm、体重87kg、手には酒瓶.....)
大男が持っている酒瓶を私の頭めがけて投げてきた。だが酒瓶は惜しくも私に当たらず、そのときには私の足が彼の脇腹に直撃していた。
「ガハッッッ!」
大男も酒瓶のように宙を舞い、壁に轟音をたててぶつかった。
「だからカフィーに敵わないって言ったのに.....」
まわりのならず者たちがヒソヒソと喋りだす。
「では私は食材の買い出しにいってくるので少しここを離れますが、くれぐれも一般の市民に危害を加えないでくださいね。」
そういい、私はギルドを出かけた。
「緊急避難警報、緊急避難警報、魔王軍の侵略により被害多数、一般人は至急避難してください。」
私はそう聞いてギルドに急いで向かった。私のならず者どもは無事だろうか、ギルドは無事だろうか、たくさんの不安が頭をよぎる。
ギルドに着くと、そこには無数の魔物がいた。そして、ならず者たちの死体があった。
「なんと惨いことを.....」
すると、いつのまにか私の目の前にひときわ邪悪なオーラを放つ魔物が来た。
「コンにちは、だいじょうぶデスカ?」
私は不自然ながらに人間の言葉をしゃべる魔物に初めて会った。
「アあ、オドロかないでください。私はフダンみかけるような低能な魔物とはチガい、人間の間では幹部、と呼ばれるものです。私たちは高い魔力と知性を持っているため、こうしてニンゲンとのコミュニケーションをトレマス。」
私は聞いたことがある。森の中にいたりする魔物とは違い魔王、「バルミール」が率いる魔王軍があるらしい。その魔王軍には魔王を最上位として、魔王に仕える魔神が5名、さらにその下に幹部が15名、そのさらに下には魔物が何万.....といる。というような構成らしい。
つまり、私の目の前には魔王軍の選ばれし15名の1人がいるということらしい。
だがそんなことは関係ない。私がこの幹部に敵わなくても、私の家族同然のようにかわいがっていたならず者どもを殺されては怒りが湧いてくる。
「あなたがここにいた人たちを殺したのですか。」
「ハイ。私たち魔王軍の恐ろしさをニンゲンに再認識させようとオモイ、まずはイケニエとして殺してみました。」
その瞬間、私の全身の血が怒りに燃えてうなりだし、私の筋肉が怒りに我慢ならずひしめき合ってるのがわかった。
私の心が、体が、こいつに怒っているのを感じた。
私はヤツに向かって殴りかかるが、ヤツは瞬間移動するかのように速く逃げた。だが私の体はその速さを上回る速さでヤツの首をつかみ、気が付けば私はヤツの首をもぎ取っていた。
「バカな!この私がニンゲンに負けるなんて!これはウソだ!」
「もううるさい。」
私はヤツの首を遠くへ投げた。その首は信じられないほど遠くへ、飛んで行った。
ヤツの手下かと思われるたくさんの魔物はヤツの首が飛んで行った方向へと逃げたいった。
「たしか魔王の名はバルミールと言っていたな。少し痛い目にあわせてあげないといけないな。」
私は一人つぶやくとこの街、ダートを去ることに決めた。
そして私のギルド、そして私の愛しいならず者どもを奪ったヤツのボスを見つけて復讐することを決めた。
こうして私は一人で魔王バルミールを殺す冒険を始めたのだった。
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