第38話「海苔の佃煮ふたたび」
昼休み。
日向めぐるは、今日の弁当を手にしてベンチに座った。
今日の献立
ご飯
味噌汁
漬物
豆腐の旨煮(やさしい出汁の味)
ポークビーフン(香ばしい炒め麺)
煮豆(ほっこり甘め)
海苔の佃煮
「わぁ……今日はなんだか和と中華のミックスだね」
七海れいが覗き込みながら笑う。
「ビーフンもいいけど、豆腐の旨煮って、胃にしみるなぁ」
乾静香は煮豆をつまみ、「鉄分とタンパク質。やっぱり完璧」とすぐ分析モード。
小夜は海苔の佃煮を見て、「これまた来たね。やっぱりご飯のお供シリーズだ」と声を弾ませる。
めぐるはご飯に海苔の佃煮をのせ、一口。
とろりとした食感と甘じょっぱさが白米に絡み、思わずほっとため息が出る。
「……やっぱり落ち着く」
「佃煮って、最強のご飯泥棒だよな」れいも同意。
三人は揃って笑いながら、弁当を囲む。
ふと献立表を見れば──やはり隅に小さな文字が。
──監修:山岡るり
「海苔の佃煮まで、この人の計算……?」
めぐるは思わず首を傾げた。
だが次の瞬間、口いっぱいにビーフンを頬張り「美味しい~!」と笑顔に戻る。
何でもない日常の昼休み。
ただ、ご飯と味噌汁、そして海苔の佃煮。
それだけで今日も幸せに包まれるのだった。
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