学校の七不思議を巡る"7人"の学生。細やかな描写と作品の雰囲気によって、七不思議の怪異が襲ってくるとわかっていても恐ろしさに震えます。読んでいくうちに、一人、また一人と、どんなふうに消えていくのか待ち遠しくなるような暗い愉しみを覚えてしまいました。伏線を回収したラストシーンにおいて笑う誰かと、消えていくことを楽しんでいた自分が重なり、ゾッとしました。一つ一つの怪談が簡潔で読みやすく、けれどしっかり怖くて面白い作品でした。