第2話 ナイトメアモードのスタート

 チートずる行為をプログラムスキルでやってから、異世界に到着。

 目の前にはドラゴン。

 邪神の討伐成功率が高いと、スタート地点の難易度が上がるって言ってたよな。

 今の俺の成功率はチートずる行為で爆上がりして、645%。

 ナイトメアモードのスタートなのも納得。


「ガアアアア!!! ぎざまぁ、女神の匂いがずるぅ! 俺のだまじいをごごにどじごめだにっぐぎ女神!」


 こいつも女神の被害者か。

 こいつと手を組むことはできないだろう。

 そのうち解き放ってやるさ。

 待ってろよ。


 最初がドラゴン戦。

 恐らくダンジョンのラスボス。

 俺じゃなきゃパニックだったな。

 チーターのパワーを見せてやるよ。


「【闘神化】【神撃必殺】【怨霊力本願】、バフはこんなで良いか」


 闘神化で、俺の肉体は神並みに頑丈になって、力も増えた。

 神撃必殺で、拳に稲妻が宿る。

 怨霊力本願で、このダンジョンで殺された人の恨みが俺の力になった。


「【神速縮地】からの、【ゴッドキングプロー】」


 ドラゴンはブレスを吐いたが、俺はそれを無傷で突破。

 一瞬なら炎は熱くないんだよ。

 神速縮地はもはや転移並みのスピード。

 ブレスの炎のダメージはゼロだ。

 肉薄しているので、最上位神のパンチを叩き込んだ。


 使った5つのスキルはチートスキル。

 もちろん異世界転移者からコピーした。


「ガウ?」


 首を傾げるドラゴン。


「お前、死んでるよ。胴体に大穴が開いてるだろ」

「ガァ……」


 ドラゴンが地響きを立てて倒れた。

 ドラゴンの死骸が光になって消えて行く。


 チーターに敵う奴などいない。

 いるとすれば運営ゲームマスターだけだ。

 チーターってのは動物じゃないぞ、チートずるをする人を指す言葉だ。


 ドロップアイテムは聖剣みたいな剣だった。

 もらっておくか。

 武器があると使えるスキルも増えるからな。


 奥の部屋に行くと、ダンジョンコアらしき物がある。

 これを取ったら、ダンジョンが崩壊したりしないよな。

 そこら辺の知識はまだない。

 安全策を取ろう。

 ラスボスがこの強さなら、いつでもここに来れる。


 ダンジョンコアの隣の床には魔法陣があって、光の柱が伸びている。

 ポータルだよな。

 入ってみたが転移はしない。

 登録はできたようだ。


 ゲームでお馴染みだから、なんとなくは知っている。

 各階をクリアするごとに登録しないといけないんだよな。

 これもナイトメアハードに含まれているんだろうな。

 チーターの敵ではないが。


 逆攻略と行くか。

 ダンジョンの最奧から、地上を目指してラスボスが復讐に行くってのが、昔の洋ゲーであったな。

 まさにそんな気分。

 あれは最弱から始まるが、俺は最強だ。

 難易度的にベリーイージーなんじゃないかな。


 ボス部屋を通り部屋から出ると、光と共にドラゴンが復活した。

 恐らくダンジョンコアを取らない限り、解き放つことはできないのだろうな。

 魂と魔力で構成されてると推測した。


「【完全地図】、こりゃ便利。トラップも何もかも分かるし、安全な最短ルートも表示されてる。サクサクと攻略しないと怠すぎるよ。攻略はRTAに限るぜ」


 身体強化系のチートスキルをいくつも持ってるので、走るスピードは速い。

 ドロップ品は拾うけど、宝箱もモンスターも無視できる物は全部無視。

 1フロアを3分足らずで、駆け抜けた。

 ボスは後ろの扉から入って来られるのが慣れてないのか、振り返る前に瞬殺。

 ドロップ品は無限収納スキルで収納。

 無限収納スキルをチートスキルに選んだ異世界転移者は生きているかな。


 どうやって戦うつもりだ。

 そいつが生き残っていたら、聞いてみたい。

 そうか、スタート地点は違うんだったな。


 街からスタートなら、無限収納スキルでもなんとかなる。

 どこかで岩とか入れておく。

 オーガ程度なら何トンもの物を出せば圧死させられる。

 ドラゴンは厳しいか。

 邪神は無理そう。


 完全地図とかは逃げに徹するためのスキルだな。

 便利だけど。


 出会ったオーガぐらいの大きさのオークは状態異常の実験台。


「【絶対麻痺】」


 ええと、麻痺の状態異常フラグはどこだろう。

 キャラファイルを麻痺前と後で比較して割り出す。

 判ったここかな。

 とりあえず、そのフラグをオフ。

 うん、オークの麻痺が解けた。


「【絶対麻痺】」


 今度は麻痺のタイマーを割り出す。

 徐々に減るからすぐに分かる。


「実験台、ありがとう。死ね」


 オークはワンパンで死んで光になった。

 オーククラスならアクティブスキルは要らないな。


 かなり、ダンジョンの階層を登ったな。

 あと半分ほどか。


 戦闘音がする。

 マップにも青い人の形のマークがある。

 ええと冒険者だな


 俺は離れた位置から見学。

 ハンバーガーを食いながら、コーラを飲んで、フライドポテトを摘まむ。


 食料生成スキルがあって良かった。

 さすがに喉が渇いたりするからな。

 コーラでも何でも食料生成スキルを使えば魔力消費で作れる。

 残り魔力などパラメーター書き換えで増やして、実質無限だ。


 食料生成スキルの制約は食べたことのない物は出せないってこと。

 それと容器がない。

 コーラはドロップ品の効果が分からない黄金の杯に入れて飲んでる。

 味が良くなっている気もするが些細なことだ。


「おい、ハイエナ野郎!」


 現地語がなぜか理解できる。

 邪神討伐してほしいなら、言葉が分かるぐらい必須だよな。

 異世界転移者特典だろう。


 戦ってた冒険者達が振り返って、そのうちのひとりが怒鳴る。

 他の冒険者の俺を見る目つきも険しい。

 完全に敵を見る目だ。


「すまんね。初心者なんで見学してた」


 俺も現地語で返した。

 ハイエナ行為は知ってる。

 ゲームでも弱ったところに攻撃して、略奪することはあるあるだ。


「見え透いた嘘を言うな! ここは最前線だぞ!」


 ゲームなら、この言い訳してさよならで済んだのにな。


「あー、敵意はないんだ。立ち去らせてくれよ」


 俺は背を向けて歩き始めた。

 危機察知スキルが警告を発する。

 馬鹿な奴らだ。

 自分から死に急ぐこともないのに。


 振り返って、矢を掴む。

 剣士が斬り掛かり、魔法使いからは火の玉が飛んだ。

 遅いな。

 余裕で避ける。


「【プログラム】。cmd.exeコマンドエリア麻痺.exeエリアパラライズ


 キャラデータの麻痺のフラグが分かった時に、このプログラムを組んだ。

 絶対麻痺だと複数は無理だから、プログラム。

 冒険者達全員が麻痺った。

 キャラデータのフラグを直接立てれば、成功率なんて関係ない。

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