噺屋亭魔法少女〜本日のお題目は魔祓いにございます。ただいまよりー変身いたします。〜
猫屋敷めいこ
プロローグ
毎度ばかばかしゅうございます。
本日高座に上がったのはわたくし、噺屋亭ほのかといいます。
人間じゃありません。
けれど、この噺の語り手でございます。
それじゃあ、噺を聞いてくださいますか。
あるところに、引っ込み思案の少女がいたんでございます。
名を薫(かおる)と言いましてね。
この子がまた、目立たず本の陰に隠れるようにして静かに生きる。
まるで教室の亡霊、、、いやいやこれは言いすぎですか。
とにかく、そんな、陰のものでございました。
ところがまあ、この陰のものってぇやつは厄介でしてね。
静かにしてりゃあ静かにしてるほど厄介なことを考えちまう。
学校に行けば、
「ああ、今日も話しかけられずに一日終わるんだなあ」
なんて、ため息ばかりついておりまして。
で、家に帰ればどうなるかってぇと、、、
舞台は薄暗い六畳間。
えぇ、えぇ、人形でございます。
布の人形、木の人形、髪の生えたちょっと怖いのまで。
お客をずらりと並べてその前にちょこんと座り、、、
「本日の噺はぁ、こちら!」
なーんて、急に噺家みてぇな声色を出すわけです。
誰にも聞かれないよう、小さな声で。
、、、あ、いや、笑っちゃあいけませんよ。
これがね、うまいもんなんですよ。
そこらへんの噺家じゃ負けないくらいのうまさ。
聞く人がいれば、そりゃあ、拍手喝采ですよ。
けれど、本人はそんなことは露知らず。
「私の噺なんて価値がない。」
てな具合で、今日もまた、一人で噺を続けているわけで。
で、ここからが本題。
ある夜のこと。
いつものように噺をしていましたら
人形たちが一つ、また一つと光りだして消えてしまったんでございます。
残ったのはただ一つ。
その人形をまじまじと見てみると
ぱちくり。
まるで返事をするようにまばたきをしたんでございます。
いやあ、驚いたなんてものじゃございません。
これがまぁ、薫の「魔法少女」としての始まりでして。
本日のお噺はこの、
「陰のもの」が「噺の魔法」に巡り合って、成長するまで。
どうぞ、、、
一席、おつきあいくださいませ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます