第10話普通になれなかった規格外の天才、桜子

伊集院桜子は、なぜ、普通を愛するのか。

それは、桜子が天才だからである。

生まれた時から存在感が薄く、いないものとして扱われた桜子。そんな、彼女が、自分を見てもらうためにどうしたか。そう。天才になったのである。

会ったこともない、親に見てもらうために。いるものとして扱ってもらうために。

運動は、いつも一位。勉強も、いつも全国一位。

いろんな、教育、経験をしていきながら桜子は悟った。普通が一番だと。

どうせ、どれだけ頑張っても、どれだけ天才になっても、どれだけ一番になっても。桜子はいないものなのだ。

それなら、普通がいい。普通に生きていきたい。そう、桜子は思った。

そして、桜子は普通を求めるようになった。

が。

そう、うまくは、いかなかった。

元々、天才としての才能があった、桜子。普通に生きていきたかったが、その後も、テストを総なめ。運動に関しても全部一位。音楽も、絵画も、全てが最優秀。それに、魔戦士育成学園への入学。

普通じゃないことが続いた。

さて、そんな桜子は、普通じゃない試験が始まる前にベニたちに何を聞いたか。

答え 魔法の使い方を聞いた。

「ねぇ、三人に聞きたいことがあるんだけど。」

「なに?」

私は試験が始まる前にどうしても聞いときたいことがあった。これは聞いとかないと試験を突破できそうにないからね。

「魔法って、どうやって使うの?」

「ああ、それはね、、、」

やっぱり、むずいのかなぁ。めっちゃ長い、呪文とか?おまじないダンスとか?難しいのは、嫌だなぁ。普通がいいな。

「イメージすると使えるの!」

ん?!おおう、意外なのが、きたな。

「イメージ?」

「そうだ!想像するんだ!自分は、こうなりたいってな!」

んん?つまり、、、?

「つまり、炎を出したかったら炎をだす自分を想像するんですよ。水を出したかったら水を出す自分を。速く走りたかったら速く走る自分を。なんでも、イメージするんです。そうしたら使えますよ。」

「よし。わかった!やってみるよ!」

こうして、桜子は、魔法の使い方を知った。

だがこれは、三人の場合、だ。三人は、現役の魔法戦士だ。普通は、イメージするに至るまで、自分の言葉を考えたり、自分専用の動作を作ったりするものなのだが、三人は最初から、この方法で、魔法を使ってきたので普通の魔法の使い方を教えてあげられなかったのだ。

だから、普通は、この方法で魔法を使えない。

でも、桜子は、普通ではない。

桜子にはできてしまう。なぜなら桜子は。

普通になれなかった規格外の天才だからだ。

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