第7話~関西人、友達ができる~
金髪ギャルと言えば夏目 詩奈。夏目 詩奈と言えば金髪。これは不変の掟。そう言われるくらい最初から最後まで金髪ギャルや。天王寺 大樹に捕まってからは染める余裕もなかったからかちょっと黒い髪が混ざることもあったけど。一番ひどくてスタッフロール後の悲惨な末路でプリンみたいな髪の毛になってたけども。
せやけど、真っ黒って言うんはなかった。な、なんでや…夏目 詩奈=金髪の方程式…これが壊れたんは…何があったんや…。
「夏目さん…髪の毛黒に染めて…ど、どないしたん。なんか…あったんか?」
「えへへ…天王寺クンが派手なカッコはやめたほうがいいよって言ったから…ね、ね、似合う?」
「なん…やと…」
お、俺が原因なんか。ちょい待て。俺は服装は指摘したけど髪までは言うてないで!?
「ねーねー、似合うー?」
俺を覗き込んでくる夏目さん。あかん、何やこの子クッソかわいいやないかい。そらそうや。だって夏目さんやで?かわいくないはずないやろうが。
せやけど…何百時間と夏目 詩奈を見てきたけど、黒髪の夏目 詩奈を見るんは…たぶん俺だけやろ。俺が…俺が夏目 詩奈の方程式を壊してしもうた。これはあれやな、例えばやけど織田信長が本能寺の変で死ぬっちゅう歴史を織田信長を救って歴史を改変したっちゅうんに等しい。俺がそれほどの大それた歴史をこの手で変えてしもうたんや…!
「ねえったらー!!」
「うお?!う、うん、黒い髪って新鮮やね…それに髪型もかわいいで」
「ほんと!?やったー!!!やばば!!天王寺クンに褒めてもらえた!やったよ凜ちゃん!!」
「はいはい、よかったわね」
「えへへー♪」
あかん、かわいすぎる。かわいすぎて眩しすぎる…これが…これが尊いって言うことか…俺は思わず夏目さんを拝みそうになった。数多のプレイヤーが夏目 詩奈を推してるわけやけど…ゲームでは絶対に見られへん黒髪の夏目さん…それを見れるんが俺だけって言うの…凄ない…?お、俺だけの夏目 詩奈…!!調子乗んな。夏目さんはみんなの夏目さんやろが。みんなで「てえてえ!」言うて優しい目を向けなさい。
「そういえば詩奈、あなた学校に来るのがずいぶんと早かったわね。私より早いなんて珍しい…」
「うん。だって天王寺クンを待ってたんだもん」
「俺を待っとった?なんで?」
「だって、あーし天王寺クンにまた会いたいって思ったし。天王寺クンもまたって言ってくれたから、今日だったら会えるなって!」
俺に会いたい…や…と?泣ける。いや泣いてまいそうや。俺を待ってくれてたとか、そんなん…ああ、ゲームでも「俊哉クンに会いたかった!」って言うて飛びついてきたりする娘や。あかんあかん、舞い上がったらあかん。
「俺に会いたいって、何かあったっけ?」
「うん。もう一回、お礼が言いたかったんだぁ。天王寺クン、一昨日はありがと!」
この娘はほんま…何ていうか素直でずっと恩を感じとるんやなぁ…ほんまええ子やで。気にせんでええって何回も言うたのに。
「一昨日も言うたけど、ほんま気にせんといて。夏目さんやのうても助けてたと思うし」
「でもあーしだったんだもん。あーし、忘れないよ?」
首を傾げる仕草1つでもかわいい。てか、推しと話せるとか、これがアイドルの握手会に参加するファンの気持ちか?いや、それより踏み込んでるやろ。俺はもうこれだけで死んでもええかもしれん。
「あ、そうだ!!あーし、お願いがあるんだ!」
「お願い?俺に?」
「うん!ね、ね、あーしとPOINE登録しよ!友達になって!!!」
その時天王寺 大樹に衝撃奔る。友達になって。友達になって。友達に…なって!?お、俺は夢でも見とるんか。いや、夢やろ。脱ぼっちを目指しとった俺にとっては願ってもない話や。せやけど、その初めての相手が夏目さんやで!?嘘やろ!?俺の悲願は達成された。しかもこの初友達が夏目さんって言うのはでかい…!!
「よ、よろしくお願いします…」
「やったー!じゃ、じゃ、さっそく!」
「え、えーと…登録ってどないするんやったかな…」
社畜時代もこういうメッセージアプリってだいぶ前に入れて使ってた記憶はあるけど、いろいろ変わりすぎて忘れてしもとる。ちなみに友達は入ってんと、ことあるごとにメッセージで憂さ晴らしをしてくるクソ上司とか業務連絡しかせえへん同僚しか入ってない。ちなみに、今も友達として登録されとるんは既読スルーばっかりしとるおかんしか入ってない。
「あーしがやったげる!えっとね、ここを押してぇ」
近い近い!この子めっちゃ距離近いな!!うわ、またや!また甘いええ匂いする!女の子って学校でもこうなんか!?しかも腕になんや柔らかいものが…ちょ、あかんて、胸!胸やわらか!?あかん、これはセクハラになる!!せ、せやけどここで振りほどいたら俺が夏目さんを嫌っとるみたいになれへんか…?どうすることもできんと、俺は夏目さんにくっつかれたまま、スマホを眺めるしかできんかった。
ちなみにこの時、冬木さんはと言うと何回も「詩奈。ちょっと詩奈」と夏目さんを呼んどったんやけど、夏目さんはまったく気づいてなかったらしい。俺はとりあえずどないしたらええねん、とスマホの画面と冬木さんを交互に見るしかできへんヘタレと化してた。ふと冬木さんと目が合うたんやけど、冬木さんは途中からどっか違うとこを凝視しとった。
「でーきた!はい!友達登録終わったよ!あ、そうだ!凜ちゃんのも登録する?」
ハードルが高すぎる。夏目さんだけでもハードルの高さが走り高跳びの世界記録くらい高いのに、冬木さんなんか棒高跳びの世界レベルやろ。
「何で私まで…」
そう言いつつもなんでか知らんけど冬木さんは俺にスマホを見せてくる。え、何でなん。確か冬木さんはこの時点では大の男嫌いなはずや。理由はゲームで過去が明らかになってるんやけど、小学生のころ、家庭教師に勉強を教えてもろとったんやけど、この家庭教師のボケが冬木さんに暴行をはたらこうとしたからや。それで男にトラウマを持ってて男嫌い…のはずやのに。わからん。それより、夏目さんが動くたびに胸がふにふに当たるん何とかして冬木さん。
「はい!グルチャはいっか。できたよー。ね、ね、何かメッセ送って!」
元気やなぁ…黒髪になったからって、別に性格が変わったわけちゃうもんなぁ…メッセージか…何送ろ…緊張してきたど。
大樹:初めまして。天王寺 大樹と申します。
よろしくお願いします。
メールの挨拶文かいな。とツッコみたなるけど緊張でボケられへん。そんなボキャブラリーもないんやけど。
si-na:よろしくお願いしまーす!('ω')ノ
メッセージでも元気いっぱいやな。しかもめっちゃかわいい顔文字とか使ってるし。やっぱ、女の子やなぁ…。
「えへへ、これで友達だね!凜ちゃんとも!」
大樹;初めまして。天王寺 大樹と申します。
名前だけでも覚えといてください。
「天王寺君…二言目、何これ?」
「そんなんしか思いつかんかってん…」
「まあ…いいけど」
凛:冬木凛子よ。よろしく。
うーん、めっちゃ簡素。せやけど、ちゃんとメッセージに返信してくれるだけでも嬉しい。お、俺は今すごいことになっとるんや。何せ、あの夏目さんと冬木さんと直で話をして、冬木さんはわからんけど、夏目さんとは友達になってんで…!ああ、俺この世界に転生できてほんまよかったわ。
「おはよ~。あれ?しーちゃんに凛ちゃんに…て、天王寺君…?」
スマホの画面で2人の名前を嬉しさを抑えに抑えて眺めとったら、やってきたのは…3人目のヒロイン。秋谷 澪さんやった。
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