『Magic Sand』
竜野マナ
1章:始まりの砂浜
第1話 集めるゲームに集められる
『Magic Sand』、っていう、シリーズもののゲームがある。
直訳で「魔法の砂」っていうそのタイトルの内容は基本的に、昔々に砕けた「魔法の石」を、砕けた結果の「魔法の砂」を集めて復元しようってものだ。シリーズが進むたびに色々要素が付け足されて、「魔法の石」っていうのが大きさ別の種類で増えたりしたけど、基本は変わらない。
実際のシステム的には、探索、採取、作成っていう、大体どこにでもある感じのクラフト系ゲーム。最初から体力式なのはちょっと珍しかったかもしれないけど、まぁでも発想的にはよくあるやつだ。
『世界最大の「魔法の石」を取り戻そう――『Magic Sand ~巡る星と世界の扉~ 近日リリース予定!』
っていうCMを見て何事かと思ったら、ソーシャルゲームへの進出だった。まぁ体力式だから相性はいいだろうし、何だかんだ最初の方から、採取できる対象に人材が含まれてるのもあって、クラフトなのか町作りなのか微妙だったのも間違いない。
そしてこれは後半のシリーズで、オンライン機能が付いていたりした。ただしそれをONにすると、採取できる素材の量が跳ね上がる代わりに奪い合いと潰し合いが発生する。……それでもオンライン機能をONにしていた人数が多いのは、体力式で素材の量が跳ね上がるからだ。
逆にオフライン状態だと、ほぼ放置ゲーとも呼ばれていたりした。いや。いやまぁ。確かに体力の上限がある程度以上増えたら、採取時間も作成時間もかかるようになってたけど。何度も集めてからでないと作成に入れなかったし。素材の数が少ないから。
「いやまぁ、オフライン状態の素材の数が基準で、オンラインになったら跳ね上がる、なんだけど」
みたいなことを呟いたりしても、そういう対戦要素があると楽しいって人の数はそれなりに多いらしく。結果として『Magic Sand』シリーズはその売り上げを伸ばし続けて、なかなかの有名タイトルになっていた。
で、そんな『Magic Sand』シリーズがソシャゲになる。って事で、事前登録の人数もすごい事になったらしい。しかも、事前登録をした一部の人には、ゲーム内部での特別な何かがプレゼントされると公式発表されていて、何かは分からないけどそれなら事前登録した方が良いな、と思った人は多かったようだ。
ソシャゲって事は強制オンライン。つまり奪い合い潰し合いの殺伐に強制的に放り込まれるって事では? と思ったものの、シリーズの最初からプレイを続けている以上は最新作に手を出さないという選択肢は無い。結果、事前登録を行って、リリース当日。日付変更線丁度。
「………………え」
後は寝るだけの状態になっていてアプリになった『Magic Sand』を起動できる瞬間を待っていたら、スマホが壊れたレベルで光ったのは覚えてる。
ただ。
「すな、はま……???」
尻もちをついて目を開けたら、何故かそこには、水平線が見える空と海と、どこまでも続くような白い砂浜が見えていた。
え? どういう事?
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