第4話 不具合

 ついに計画開始だ。ここまでかなり時間がかかった。

 計画はこうだ。まず警備ロボットの目を欺き、城壁にC4爆弾を仕掛ける。

 そして誰もいないときに爆破し、外に出る。外の世界の大勢力の軍に相談し、機械の街を直してもらおうってわけ。めっちゃおおざっぱだけどね。


 今考えてみるといろいろな可能性が頭に浮き出てくる。もしかしたら爆破の時に警備ロボットがちょうど現れて、処刑されるかもしれない。

 もしかしたら、大勢力軍が話を聞いてくれなくて、俺だけ逃げることになるかもしれない。でもかけるしかない。この小さな火種のような希望に。


 まずは敵の目を引くこと。俺は機械いじりも好きだから、走る大型のネズミを作ってやってもいい。でももっと気を引くようなものを作らないと、、、

 そうだ!警備ロボットは「音」に敏感だった!もうすっかり忘れてた!

 じゃあもし作るとするなら手榴弾でおびき寄せるか、、、そうだな、、、

 よしそうしよう!手榴弾を遠く遠くに投げて警備ロボットに音を聞かせる。異常を検知した警備ロボットはそこへ向かう。そして壁に穴をあける。いい作戦だろ?、、、何?手榴弾をそんな遠くに飛ばせるのか?馬鹿にすんなよ。俺は力もあるんだ。

 なんたってあんな重い鉄を加工してたんだからな。でっかくて重いハンマーで熱い鉄をひたすら打ったり、ベルトコンベアが壊れた時は素手で鉄を運んだり。もう散々だったわ。あんな仕事もう二度とやりたくないね。

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