第19話四面楚歌

 雅子達が部室出た後、須藤梨香はずっと部室にいても意味がないと感じ、職員室に戻った。職員室に戻ると須藤梨香は

「あいつら何やってんのかしら。急にいなくなって。後で私に謝るように叱らなきゃ」

 などとブツブツ文句を言っていた。


 翌日、須藤梨香は部室に入ったが、雅子達の姿はなかった。

 腹を立てた須藤梨香は力一杯壁を蹴った。

「なんで来ないんだよ!なんで部室来ないんだよ!」

 須藤梨香の顔は、真っ赤だった。

 その声は、外にも聞こえ、通りがかった雅子の学年の学年主任の志々尾が部室のドアを開けた。

「どうなさいましたん?須藤先生」

 志々尾は唖然とした。

「蒲生さん達が来ないんですよ!」

 須藤梨香は興奮気味だった。

「落ち着こな。蒲生達なら2階の空き教室へ行きましたで」

 志々尾は須藤梨香を落ち着かせようとしてすぐ、

「それより須藤先生。便利部に学外からの依頼を禁止させるのはやめたほうがええで。申し訳ございません。出過ぎた真似をしてしもた」

 志々尾は氷のように冷たい言い方をすると部室を去った。

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