第4話 副団長暗殺者を退ける
「――な、なんだ今の光……!?」
ざわめく社交会場の空気がピンと張りつめる中、窓ガラスが突如砕け散った。
闇夜からひらりと舞い降りたのは、漆黒のマントを翻す一人の暗殺者。
「――王女クラリス殿下の命は、我が手で絶つ」
その冷たい声が会場のざわめきを一瞬で飲み込んだ。
しかし、レオンはぽかんとした顔で一歩前へ。
「え、暗殺者?まいったねこりゃ」
周囲の緊迫感とは裏腹に、どこか呑気で天然な声。
剣を抜くと、先端からふわりとした風が揺らめく。
その異様な雰囲気に暗殺者は少したじろいだ用にナイフを構え、レオンを油断なく観察する。
「まあまあ、そんなに怖がらなくていいよ。しかしなんとも練度が高いねぇ」
暗殺者は素早く宙に舞い上がり、煙のように細く鋭い刃を放つ。
だが、レオンは涼しい顔で身をかわしながら言う。
「……あ、風の流れに乗ってるから見えるんだよね。そういうのは、慣れっこで」
剣閃が飛来する刃をスパッと断ち切り、一気に距離を詰める。
――「風斬り」
閃光の一撃が暗殺者の黒衣を裂くが、相手はまだあきらめない。
「まだ終わりじゃない。我らの任務は……」
魔力を爆発させて魔力遮断の結界を張る。
「魔力遮断の結界か……」
暗殺者が魔力を爆発させ、空間に重く張り詰める不可視の結界を展開した。
レオンは少し眉をひそめて剣を握り直す。
「うーん、これで俺の力が封じられたら困るなぁ……」
両手から魔力を迸らせながら、剣に光を宿す。
「斬雷・雷鳴!」
轟音とともに斬撃が結界を突き破り、暗殺者を吹き飛ばした。
敵は驚きと動揺の声をあげる。
「な、なんで……!? あの結界が……こんなに簡単に!?」
レオンはにこやかに肩をすくめて言った。
「ああ、それね。実は、そばにいたシリルがさ、呪術のことすごく詳しくてさ。たぶん、彼女がなんかやってくれたんだと思うよ」
シリルは思わず赤くなりながら、
「なっ……違います! 私、何も……」
「まあまあ、謙遜しなさんな」
レオンは笑いながら言った。
「俺の力だけじゃないってことさ。みんなで力を合わせれば、怖いものなんてないってね」
敵は呆然とする中、レオンは軽やかに動き出し、斬風と雷撃を連続で繰り出して攻勢を強める。
「よし、これで終わりだ」
レオンが振りかぶると、背後からクラリスの叫び声。
「王女様に――!」
振り返ると、クラリスが宙に浮かんでいた。
暗殺者の刃が彼女に向かっていたのだ。
「なにやってんの!」
レオンが驚きつつ叫ぶと、シリルがすぐに飛び込む。
「ここは私が守ります!」
二人の刃が激しく交差し、火花が散った。
レオンは軽く笑いながらも一瞬の隙をついて斬風・天翔を放ち、相手の剣を弾き飛ばす。
「王女様、今ですよ!」
シリルの指示で護衛隊が襲撃者を包囲。暗殺者は退却を余儀なくされた。
騒動後、クラリスがレオンに静かに言う。
「……あなたのおかげで助かりました」
「いやあ、皆が頑張ったおかげだよ。俺はただ、いいところを見せたかっただけ」
ニコニコしながら答えるレオン。
夜、クラリスの小部屋。
「副団長、あの結界……なんで魔力を封じられてるのに効かなかったんですか…」
シリルが低く言う。
「うん、自分でもよく分からないんだけど、気づいたらなんとかなってたし、シリルのおかげだね」
レオンは照れ笑い。
「それが、あなたの強さの秘密なんですね」
「そうですそうです。やっぱりみんながいればなんとかなるもんですね」
クラリスは窓の外を見つめて言った。
「あなたはただの“人望副団長”じゃない。時代を変える人。私は全力で支えます」
レオンは驚きながら、ゆっくり頷く。
「ありがとうございます、クラリス殿下。俺にできることはみんなの調整くらいですがやれることはやりますよ」
闇の奥で、魔族の声が呟く。
「“神殺し”の刃は鋭さを増す……次の策を練らねば……」
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