写真
渓流釣りをしていた男が山中で道に迷った。
山に入ったのは昼だったが瞬く間に辺りは暗くなっていった。
明るいうちに帰る予定だったので懐中電灯は用意していない。
スマホのライトを頼りに真っ暗な山道を進んだ。
そのうちバッテリーが残り少なくなった。
男は思いついた。スマホカメラのフラッシュを使おう、と。
実際バッテリーを節約できるかはわからなかったが。
数メートル歩いてはフラッシュを焚き、また歩いてはフラッシュを焚き、そうこうしているうちになんとか見知ったルートに戻ることができた。そしてやっとの思いで帰宅したのだった。
数日後、男が何の気無しにカメラロールを覗いた。
山で道に迷った際に撮った写真。そのうちの一枚に何故か自分が映っている。
その写真の中で男は生気のない表情を浮かべ、こちらに向かって真っすぐに指をさしていた。
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