道を尋ねる
これはある男性が道に迷った時に体験した話。
まだスマホも普及していないような時代。
道に迷ってしまえば、人に聞くしか目的地にたどり着く方法は無かった。
と言っても当時その場所に人通りは無く、近くに交番も無い。
どうしたものかと数分の間立ち往生していたところ、ようやく人が通りかかった。
老齢の女性。
ニコニコと笑顔を浮かべた優しそうな雰囲気の人だったので男性は思い切って声を掛けた。
すると老齢の女性は快く道を教えてくれた。
彼はお礼を言って教えてもらった通りに道を行く。
真っ直ぐ歩いて、突き当りを右。右手に見えてくる神社を通り過ぎてすぐ左に曲がった。
曲がってすぐに壁があった。
いや、よく見ると壁ではない。
そこには見上げるほど大きな地蔵があった。
突然のことに声も出ないくらい驚いた男性が呆然としているとその地蔵の半分閉じた目が見る見るうちに開かれ始めた。
男性は強い恐怖を感じ、慌てて踵を返して元来た道を走って戻った。
その道中、道を尋ねた老齢の女性とすれ違った。
その女性は走り去る彼を見て心底おかしそうにゲラゲラ笑っていたという。
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