Dr.ペスト~ボクらの青春は殺人鬼に奪われた~
をりあゆうすけ
第1話『目撃』
さあ、始めようか!!
このナイフを真っ赤に染めよう……女子高生の新鮮な血で!!
「もしもし、ママ。うん、そう、友達としゃべってたら遅くなった。迎え?いいよ、もう
昼間はまだ蒸し暑いが、夜になると吹く風は冷たい。公園の遊歩道に溜まった枯葉が、カサカサと音を立てる。加奈子は肩をすくめた。
ここは森林に囲まれた自然豊かな公園だ。小さな
(え?誰かいる……なんか、怖っ)
不穏な空気が流れ、加奈子は得体の知らない感覚に襲われた。
次の瞬間……
不気味な人影は猛ダッシュで加奈子に近づき、そのままの勢いで加奈子に体当たりを食らわせた!!
ソイツは、
「きゃあああっ!!」
加奈子は、目を見開き
男なのか女なのかもわからない、はたまたバケモノなのか人間なのかもわからない。不気味な黒いマスクを被り、黒装束を身にまとったソイツは、加奈子の胸の当たりを目掛けてナイフを振り下ろした!!
「イ、イヤァァア!!」
加奈子は両目を
「ギャアアアア!!」
加奈子の左腕から真っ赤な鮮血が吹き出した!!
(やっぱり公園のトイレは怖いなぁ…。虫は沢山いるし、幽霊とか出そぉ……早く帰ろう)
手を拭き、汚れた鏡で短い前髪をなおした。その時……耳を
「ギャアアアア!!」
ボクは身体をビクつかせ公衆トイレの入り口からそっと顔を覗かせた。
「え……何?」
ボクは自分の目を疑った。黒い人影が、女性(?)の上に
チカチカと瞬きをする電灯が、まるでカメラのシャッターを切るようにその様子を写し出している。
(ちょっと待って……。流石に映画の撮影か何かだよね!?いや、でも撮影してる人も見当たらない。てか、こんな真っ暗な公園で撮らない……?え、じゃあ……何?)
ボクは混乱していた。訳も分からず震える手でポケットからスマートフォンを取り出し、その様子をこっそりと撮影した。
しかし、
(ハッ、こんなことしてる場合ではない!!本当に人が襲われているなら助けなきゃ!!と、とにかく警察を呼ばないと!! )
ボクは、慌てて緊急通報のアイコンをタップしようとした。しかし、手が震えスマホを落としてしまった。
(し、しまった!! )
ガシャッというスマホの落下音に、黒い人影はこちらを振り向いた。
「あ、ああっ……」(ヤバい……)
ボクはあまりの恐怖に身体が硬直していた。
黒いソイツの元に倒れている人は、もうピクリとも動かない。そして、ソイツはボクを見ながらゆっくりと立ち上がった。
肩でため息をついて
ボクに向かって猛ダッシュで駆けて来た!!
「ヤ、ヤバ!!」
余りに怖すぎて金縛りにあったように動けない!!
動け!!ボクのカラダ、動け!!
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