《第八章》氷室くんからの、お誘い!?

 その日、家に帰ってきたわたしは、自室で交換ノートを開いた。

 氷室くんからの返事をぱっと見て、あれって思う。

 イラストが描いてなくて、つらつらと文章が書かれている。

 わたしはどうしたんだろ? と思いながら、氷室くんの返事を読み進めていった。


 萌木さんへ

 あのさ、今日はちょっと相談があって、オリジナルストーリーは中断したんだ。

 萌木さんは今、『涙のダイヤモンド』のコラボカフェをやってるのは知ってる?

 おれ、コラボカフェに行きたいと思ってたんだけど、あれって予約が必要でさ。

 予約の開始日に予約しようとしたんだけど、人気で予約できなくて……。

 だからキャンセルが発生しないか、予約サイトを毎日チェックしてたんだ。

 そしたら十一月二日(土)の分にキャンセルが発生して、予約できてさ。

 もしよかったら、いっしょにコラボカフェに行かない?

 あ、おれと出かけるのがイヤだったら、断ってくれていいから。

 それじゃ、考えてみて。


「ぜひ行きたいですぅ~~っ!!」

 わたし、うれしすぎて、思わず声を上げてしまった。

 『涙のダイヤモンド』のコラボカフェが開催されていることは、もちろん知っていた。

 原画展と同様、三十周年を記念して開かれることになったんだ。

 ただ、わたしも予約開始日に予約できなかったの……。

 予約しようとしたら一瞬で予約がうまっちゃって、ダメだったんだ。

(――あ、ちなみにコラボカフェっていうのはね、漫画や小説、アニメやゲームなどの作品の世界観を楽しめるカフェのこと!)

 例えば、とある漫画に出てくるキャラクターをイメージした食べものや飲みものが提供されたり、その漫画のキャラクターの限定グッズを手に入れたりできるんだ。

「うわぁ~、予約をキャンセルすることになった人にはもうしわけないけど、すっごくラッキー! わたし、どうせキャンセルなんて発生しないと思って、あきらめちゃってたんだよね。まさか行けることになるなんて!」

 わたしは交換ノートに行きたいと返事を書こうとして、ふと気づいた。

「ねぇ、これって……デートみたいじゃない??」

 ドキーン!! と、わたしの胸が高鳴った。

「いやいやいや、氷室くんはあくまで『推し活仲間』だから! かん違いするな、わたしっ。変に意識しちゃダメダメッ!」

 はぁ~っと息をはいて、両手でパタパタと顔をあおいだ。

 きっと今、わたしの顔、めっちゃ赤くなっていると思う……。

 わたしは目をつぶって心を落ち着けてから、返事を書いていった。

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