第15話 新集落
なんか気に入らないので
書き直すかもしれません。
丸兎
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『そうじゃ、これあげる』
唐突にトレントさんが頭の中に語りかけてくる。うーん、念話とでも言うのかな。
いけない。それはどうでもいい。今なんて言……
木の幹がムクムクと膨らむと、箱状の物体が飛び出した。
「うぎゃっ!?」
訳:うぎゃっ!?
高速で射出された箱は、作業中の
だ、大丈夫かアレ?
ゴブリンがこの程度でやられるとは思わないが、一応状態を確認する。
「ぎゃんぐら?」
ディーが煙の中から現れた。その手の上には、ディーの5倍以上はある木製の立方体が掴まれている。
……あぁ、よかった。無事だ。
……無事だ?
――――あれ受け止めたのかよ。
ディーには傷一つついていない。ディーが受け止めたからだろうか、他のゴブリンも無傷だ。
『おぉ~。別に攻撃の意思はなかったのじゃが、あれを受け止めるとは強いのぉ。』
トレントさんが感慨深げに呟く。というか、呟きの念話を送るな。
すると、ディーが神妙な顔をしながらトレントさんに近づいていく。そのまま……
――――ぶん殴った。
『ぎゃあぁぁ!?』
自業自得だね。攻撃したのが悪い。
『だから、わし攻撃の意思なかったんじゃって……』
あ、そう。で、あれ何?
僕は、トレントさんがレールガン並みの勢いでぶっ放した立方体を見つめる。
トレントさんは自慢げに
『気になるじゃろぉ。そうじゃろぉ。あれはな……スーパーミラクルトレントBOXじゃっ!!』
スーパーミラク……え?なんて?
『……ハイパーアルティメットトレントBOXじゃっ!』
なんか、変わってる気がする。
トレントさんに聞いてもよく分からないので、とりあえず自分で確認しに行く。
ふむふむ。
表面には入り口らしき穴が開いていて、ゴブリンひとりならば余裕で入れる。
だから、BOXだったのね。
まぁ、どっちかというとROOMな気がするけど。
とりあえずだ。トレントさん、これいっぱい出せる?
『もちろんじゃ!行くぞ……』
ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!
トレントBOXが射出される。
「トォレエェェント……」
訳:とれんとー!
再び舞い上がった土煙の中から現れるのは
ゆっくりと、怒気を身に纏いながら近づいていく。
ゴスッ!ゴンッ!バキッ!
✾ ✾ ✾
映像が乱れました。しばらくお待ちください。
✾ ✾ ✾
気が付けば、周囲にはトレントBOXが溢れていた。
比例するように、トレントさんの体表も削れている。
毎回、毎回、ゴブリンたちに撃ち込んではディーに教育されているのだ。
もはや、「わざとやっているのでは?」と思うほどゴブリンに撃つ。
まぁ、一応お部屋に使う分は集まったし。トレントさんありがとう。
『おやすい御用じゃ!』
じゃ、後は組み立てだな。
「ディー、角ゴブ!」
「ぎゃ」
背後から、恭しさ全開のディーの声が聞こえた。
――――うわ、いつからいたんだよ。無駄にこいつら隠密スキル高いな。
驚きが顔に出ないように、真顔をつくる。びっくりしてないですけど?
よし。トレント、BOX持って。
『なんじゃ、まだ働かせるか』
そんなことを言いつつも、トレントさんはBOXを持ち上げてくれた。
じゃ、なんとかして固定して。
トレントさんはあからさまに不機嫌そうな
『なんとかってなんじゃよ。枝でも突き刺せばいいか?』
お、ナイスアイデア。がんばれ。
トレントさんの枝が揺れる。同時に、葉っぱの中から枝が突き出た。
そのまま、BOXを貫通して地面に突き刺さる。
「ディー」
訳:ディー
ディーを呼びながら、地面に固定されたBOXを指す。察しろ。
ディーはうんうんと頷くと、去っていく。
……理解、したのか?
角ゴブは……なんか頑張って。
え、指示しないの!?みたいな顔をしている角ゴブは放置で、僕もBOXの固定に混ざりに行く。用もないのに呼んでしまったのは申し訳ないと思ってる。うん。
いつの間にか遠くまでいっているディーは、丸太を突き刺してBOXを固定しているのが見えた。
――――さすが筋肉魔神……
感嘆というか驚愕しつつも、僕は地道にトレントさんの枝を埋め込む。トレントさんの枝は異常な硬度があるから多分これだけでいい。
これが終われば、新集落が完成する。
せっかく、トレントさんに協力してもらったのだから安心して暮らせる集落になったらいいな。
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完成しませんでした。
次回、D視点で『土の話』は終わらせます。
第16話『D視点 王国は始まる』
ところで、トレントさんを容赦なく殴るDさんについて。
次回書きますが、Dさんには優先順位があるのです。
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