第一話 勉強って必要か?
「で、焼き芋、勉強が必要かだっけ?」
「そうそう、勉強ってしても意味ないんじゃないの? 疲れるし、そんなことより趣味やってるほうが楽しいよ。大体、勉強をして得られるものがない気がするんだよね。数学とか、数式覚えて何になるの? 四則計算くらいまでは日常生活で使うとして、だれがミサイル撃つのよ。」
「なるほど、焼き芋。二次関数を使うことをミサイル撃つ表現するの物騒だね。いや、まあ勉強して役に立つのか疑問に思うのはわかるよ? でもね、勉強をすることで得られるものもあるんだよ」
「知識、とか言ったらぶっ飛ばすからね!」
「もう、怖いな。まあでも、知識もそうだね……。って、ちょっと待って! まだ終わってない! 終わってないから! これ以外にあるから!」
キャー、焼き芋ちゃんが干し芋くんを殴ろうとしてる。まあ落ち着きなよ。
「あっ、作者ありがと。ゴホン。――で、知識以外に得られるものなんだけど、まず教養が得られます。で、教養があると、いろいろなものを楽しめるんですよ」
「はあ、どうせ専門書とか学術書じゃないの? 別にそんなんよんでも面白くないよ」
「ふっふっふー。それだけではないのだよ。君の好きそうなので言うと……。そうだね、ラノベも面白く読むことができる」
「ん? どういうこと? ラノベってそんなに難しいこと書いてないし、現に勉強してない私でも楽しく読めてるよ?」
「そうだね、じゃあちょっと言い方を変えるよ。勉強して教養を得ることで、ラノベを『より』面白く読むことができるようになるよ。ラノベって、焼き芋が思ってる以上に深いことがあるんだよ。実は伏線がはってあったりとかね。まあ、作品によるっちゃよるけど」
「へー、そうなんだ! より楽しめるなら勉強してみてもいいかも……?」
「それに、勉強をすることで新しい知識を取り入れることができる。そうすると、たとえば文章を書くときに――」
ふむふむ。ほうほう。つまり創作に役に立つということだね! 干し芋くん!
「……はい。そういうことです。語彙が豊かになって、面白い表現ができます。あとは、資格の勉強とかである分野について詳しくなったら、その分野のことを小説に取り入れればより専門性が増しますし、独自性のあるいい意味でとがった文章が書けます」
「へー、別に私は文章書かないけど、それなら創作してる人にとってはいいかもね~」
「いやいや、焼き芋、創作しなくても、文章を書く機会なんて山ほどあるんだから、知識は多いに越したことはないよ? それに、地理や歴史であれば、旅行もより楽しめるようになるしね」
「なるほどね~。なんとなく、知識系は面白い人生を送るためにいいかもって思えた! でも、やっぱり数学はどうでもよくない? 誰が二次関数使って小説書くの?」
「ははは。そうだね、たしかに二次関数を使って小説を書くのは難しいかもしれないね。書いてる人、いそうではあるけど。でも、数学の本質は暗記ではないんだよ」
「ん? どういうこと?」
「考えてみてよ、数学って、公式とかはあっても基本ずっと計算で、応用問題も公式がバーンって出されるだけじゃなかったでしょ? どう考えるかを学んだんじゃないかな?」
「うーん、そうだったかも?」
あー。焼き芋ちゃん、授業中ずっと寝てたからでしょー。
「ギクッ。なぜそのことを知ってるの!?」
いや図星かい……(適当に言ってみただけなんだけど)。
「焼き芋、授業はちゃんと聞こうね? で、数学で大事なことなんだけど、それは論理的思考力だよ」
「ロンリー的思考力? 一人で考えろってこと? あたり前じゃない」
「ロンリー的じゃなくて、論理的。物事を道筋立てて考えるってことだよ」
「えー、それが何の役に立つの?」
焼き芋ちゃん、それがないから全然わかってませんね。え? 「それ」が何かって? えーと、あれですよあれ、lonely敵施行力? でしょ! 一人にならないようにする力! 僕も休日一人でつらいときあるから、この力欲しいなぁ。
「なるほど! lonely敵施行力ね!」
「焼き芋、違うよ。……作者にも説明が必要ですね」
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