ない

あの子は運動が出来て、あの子は頭がいい……私は何にも、持っていない。

「そんなことないよ、あなたにもすごいものがあるよ」

「……どこですか?」

相手は口をつぐんで、絞り出すように答えた。

「優しい、ところ」

何回も聞いた、おんなじ答えだ。胸の底で、また乾いた、ひび割れの音が聞こえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る