茗荷といえば落語では物忘れを起こす食べ物として扱われており、しかし茗荷のうまさだけは忘れられないほどだとネタにされる。幼いころに食べた茗荷は逆に、別にうまいわけではなく、量はたくさんあったから印象に残っているという。子どもと大人のあわいにおける筆者のエッセイは感性がみずみずしい。日本人は量をたくさん食べさせるのが愛だと思っている人がけっこういて、これもきっと愛の話なのだと思う。
良かったです