5-5 勇気
<この小説はフィクションです。>
たくみがリモコンを操作すると、部屋の間接照明がピンク色に変わった。
薄く淡い光が、シーツの向こう側にやさしく広がり、空気が一気に色っぽくなる。
その光の中、なおのシルエットがますますくっきりと浮かび上がった。
胸の膨らみ、細く伸びる首筋、肩のラインまでが透けて見える。
「……うわ」
ゆうじが小声で漏らす。
「けん……」
りなが少しだけ顔を赤らめて、手のひらで顔の半分を隠した。
「……すごいな」
たくみはいつもの軽口もなく、ただ静かに見つめている。
さやかはシーツをしっかり持ち、なおのシルエットを見つめながら、にっこり微笑んだ。
「なお、がんばれ!」
軽く声をかける。
なおはシーツの向こうで深呼吸をしているのがわかる。
ゆっくりと、なおの手が動いた。
シーツの内側で、水着の紐を一本一本ほどき始める。
「スルッ」と、きしむ音もなく、淡いピンクの光がなおの肌を照らす。
水着の上部が少しずつ滑り落ちていき、シルエットのラインがわずかに変化する。
俺は視線を逸らすこともできず、ただ見つめていた。
(ああ……こんなに近くで、こんなふうに……)
心臓がバクバクと高鳴り、胸が締め付けられる。
りなが隣で、そっと息を吐いたのが聞こえた。
「……なお、大丈夫かな……」
さやかは優しく微笑み、シーツをしっかり握っている。
ゆうじも無言で、拳を軽く握り締めていた。
たくみは、いつもの冗談もなく、真剣な表情で照明を調整し続けている。
徐々に、なおの水着は肩から完全に外れ、背中に流れ落ちていく。
輪郭がより鮮明になり、彼女の身体の曲線がピンクの光の中で浮かび上がる。
俺の視線は、彼女の背中からふとお尻へと移った。
プリッとした動きが、先ほどの布団リレーの時のなおを思い出させる。
(かわいいな……)
思わず小さなため息を漏らしながらも、自分の胸の鼓動に気づき、顔を赤らめた。
なおの手が最後の水着の下端をゆっくりと下ろし始めた。
――次の瞬間、シーツの向こう側からなおの軽い笑い声が漏れた。
「……恥ずかしいけど、頑張るね」
その声に、みんなも自然と笑みを返す。
シーツの向こうでなおが生着替えを続けるその姿を、部屋の全員が優しい眼差しで見守っていた。
「ねぇ、ねぇ、見えてないよね?」
さやかが、シーツの端を握りながら俺に囁いた。
もちろん、嘘だ。
ピンクの光は、ほとんど布を通してしまっていて、
シーツ越しに透けるなおのシルエットは、胸のふくらみも丸わかりで、まったく隠せていない。
だけど、俺も嘘を言うしかなかった。
「うん、ぜんぜん見えてないよ」
なおの手は止まらない。でもなおの息づかいだけが、部屋に小さく響いた。
彼女は一度脱ぐと決めた以上、もう途中でやめられないのだろう。
その覚悟が、シーツ越しの身体の動きに、ぎゅっと伝わってくる。
ゆっくりと、水着の紐がほどかれ、肩から落ちていく。
「ああ……」
思わず息を飲む。
その時、たくみがリモコンを手にしながらニヤリと笑い、
照明の色を変え、ピンクから今度は温かみのある赤に切り替えた。
部屋の雰囲気が一気に熱を帯び、緊張感と興奮が高まる。
「なお、君の勇気、みんなに伝わってるよ。」
たくみの言葉に、なおはうっすらと頷いたように見えた。
「……ありがとう」
誰もがなおを応援していると感じた。
さやかも、りなも、そしてゆうじも、けんも。
俺は心の中でつぶやいた。
(なおの犠牲、絶対に無駄にしない。みんなでこのゲーム、最高の思い出にしよう)
たくみの巧みな演出に、部屋の空気は最高潮に達していた。
この緊張感と、皆の視線が一つに集まった瞬間、王様ゲームの奥深さを改めて実感した。
続く
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