第3話「ステータス召喚!!」
「ここが山王ダンジョンか」
山王ダンジョンは、その名の通り山の王みたいな強いモンスターがいるわけではなく、福井県の山王と言う場所に建つダンジョンだ。
このダンジョンは、モンスターから落ちる魔石が小さい上に、モンスターも基本弱い。
しかし、モンスターが出てくる量が余りにも多いので、その危険度から初心者もベテランの冒険者も寄り付かないダンジョン、所謂『過疎ダンジョン』だ。
「ここならぴったりだ」
そう言ってでかいリュックを背負った俺はダンジョンの中に入っていく。
ギルドの受付を通り、ダンジョンに足を踏み入れる。
「ステータスオープン」
ダンジョンに入り一番最初に唱えた言葉はステータス画面を召喚する初歩の初歩の魔法。
しかし、何も起こらなかった。
「なんでだよっっ!!!!!」
俺は叫んだ。
俺はラノベとか、最近近所でもよく見る「ダンジョンでレベル上がった俺TUEEE」みたいな展開を期待してたから正直落ち込んだ。叫び過ぎで喉が痛い。
「取り敢えず水飲むか……」
リュックに右手を突っ込みペットボトルに入った水を取り出そうとしたその時。
左手の手のひらに魔法陣が浮かんだ。
「ナニ、ナニ、ナニ、なにいッ???」
突然手のひらに現れた魔法陣に俺は咄嗟に腕を振り回す。
離れない。
もう1回ぐるぐる振り回してみる。
離れない。
「コレ…… もしかして俺の魔法?」
一つの結論にたどり着いたその時。
なぜかキンキンに冷えたペットボトルが魔法陣から出てきて俺の左手に収まった。
無言で水を飲む。
うん、冷たいね。さっき叫んだ喉も潤った。
「ステータス画面を召喚できないのにペットボトルを召喚してどうするっっ!!」
俺は叫んだ。
ついでに泣き崩れた。
俺は喉の疲労精神の疲労。あと、叫びすぎてモンスターが来そうで怖かったので帰った。
ギルドの受付のお姉さんはドン引きしていた。
次の日、無事風邪を引いた。
花火師になりたいのでまずはダンジョンを爆破しようと思います とらすき @torazuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。花火師になりたいのでまずはダンジョンを爆破しようと思いますの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます