平凡な日常を送っていた朝沼輝彦が、なぜか性別が反転し、自分と同じ記憶を持つ幼馴染・夕陽歩の「恋人」になっていた。という風変わりな設定から物語は始まります。
完璧な美少女となった「歩」のひたむきな愛情と、元々親友だった男の「歩」との記憶に挟まれ、輝彦の心は揺れ動きます。
コメディタッチで軽快に進む物語は、読み進めるうちにキャラクターたちの心情に深く引き込まれてしまいます。
特に引き込まれるのは、葛藤する輝彦のモノローグだ。過去の記憶と、目の前の美少女となった歩への複雑な想いが入り混じる輝彦の心情には、誰もが共感するはずです。また、ひたすらに輝彦を愛し、健気に努力する歩の姿にも、心を打たれます。
二人の関係がどう変化し、どんな結末を迎えるのか。彼らの未来を見守りたくなることでしょう。
誰もが経験する青春の悩みを、ファンタジーという大胆な設定で彩った本作。きっと、多くの読者の心に深く響くこと間違いなしです!
物語は、主人公・輝彦がゴリラみたいな幼馴染(男ver.)の歩から全力で逃げまわる衝撃シーンから幕を開けます。
その勢い、最後までブレーキを踏むことなく突っ走り続けるようなテンポ感と心理描写です。
中盤は幼馴染(女ver.)の甘々攻撃に、さらに歩の義妹•百合まで参戦し、三角関係のラブコメに突入します。
しかし終盤になると、物語は一気に真相へと迫っていきます――が、真相がシリアスでも、コメディ色は鮮やかなままです。それでいて、視点変更による描写により、各自の想いもしっかり載せられてます。
まず1ページだけでもご覧になり、その全力疾走に巻き込まれた方は、そのまま最後まで裏切られずに笑えると保証します。
作者名に入ってる柑橘類のごとく、読後感はレモンスカッシュのような……
スッキリ感、だけど炭酸の泡みたいにちょっとクセになる余韻が残ります。
💡オススメしたい方
•「テンプレ異世界ものはもうお腹いっぱい」という方
•「ちょっと疲れたから、笑いと元気をチャージしたい」という方