第13話真剣な野球盤対決

 皆さん、野球盤というおもちゃをご存知だろうか?

 私が子供の頃、昭和後期、その頃ピザLサイズくらいの大きさの野球場で、ピッチャーがレバーを引っ張ると、球が転がり、バッターはボタンを押すとバットを振り回すという野球ゲーム盤があった。

 このゲーム盤の野手のところにはちょっとした穴が開いており、そこに球が入るとワンアウト。球が外野の観客席に入るとホームラン。

 この単純なゲームに私の子供の頃はみんな燃えたものだ。

 

 さて、とある夏休みのある日、いつもの親友と野球盤で遊ぶことになった。

 しかし、この親友、なぜか知らないが、野球盤がすんごくうまかった。

 私が必死にレバーを引っ張って速球を投げるのだが、それをことごとくホームランにする。

 そして、親友が守備の時にピッチャーの投げる球が異様に早い。

 私は全く親友の球を打てずにすぐにスリーアウトチェンジ。

 

 「〇〇君、少し手を抜いてもいいんじゃない?」と私は懇願すると、親友「そんなのつまんないじゃん」と正論で私を論破する。

 いつもあまりにも圧倒的に親友が勝つので、私は野球盤には、かなりのコンプレックスが生じた。

 でも、他の子と野球盤をやると、私はけっこう強かった。いつも最強の親友に鍛えれていたからだろう。

 この親友が異様に強すぎたのだ。

 いまだに、あの親友の剛速球を思い出すと「ずっどーん!」という擬音が頭によぎるのであった。


 

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