まじめで、わくわくできて、切ない物語……だと思いましたが、読後、「哲学」「考察」とのタグを見つけて、一気に考えたいことが出てきました。
物語としては、主人公の「僕」が現地の青年「アシアン」と一緒に、生態系を守るべくゴブリンの禁猟区と討伐の制限を作ろうと奔走するというものです。
しかし、物語は進むにつれて切なさを持ち始めます。
ラストシーンはとても美しく、それでいてぼうっとしてしまうような切なさがあるものなのですが、「哲学」と「考察」のタグを見つけると、その最後の場面に対する見方も変わってくるようでした。
「僕」の生きる世界は「どこ」だったのか?
「アシアン」とは一体「だれ」だったのか?
憐れみをかけたゴブリンは何者だったのか?
すべてが何かの比喩に感じられるようで、しばらく、ぼんやりとあれこれ考えてしまいそうです。
といっても、難しく考えなくても物語として美しく 素敵な作品ですので、気軽に読んでみていただきたいです。
私がそうしてしまったように、考えを巡らすのは読み終えてからでもいいのです。