第13話「キラキラになりたい!」

「1、2、3」


 ニリスが数を数える。何の数字を数えてるのか分からないが、狙撃系魔法少女キリはアサルトライフルを構えた。


「死にはしないが痛い目にあうぜ!」


 目の前の雪のように白いサキュバスの少女ニリスに弾丸の雨が飛んで来るが、ニリスは人差し指一本だけで全ての弾を叩き落とした。


「4、5、6」


 それでも数えるニリスに苛立ちを感じたキリはガトリングガンを取り出した。


「くらえやぁ!!」


 凄まじい轟音を響かせながら弾丸が射出されて薬莢やっきょうがバラバラと地面に散らばる。


 それでもニリスはガトリングガンの弾丸すらも素手で叩き落としてると、途端に数を数えるのをやめた。


「7、いでよ7つの罪を背負いし邪竜『ファヴニール』!」


 ニリスの背後から巨大な漆黒の邪竜が姿を現すと、ニリスはその邪竜の背に乗った。


「こっちも殺す気はないけど、痛い目に遭うわよキリちゃん」


 ファヴニールの口から全てを焼き尽くす炎が射出されたが、キリはロケットランチャーを取り出してファヴニールの口に向かってロケット弾を発射して爆発した。


 ファヴニールが苦しんでる中、ニリスはキリに向かって言い放った。


「アナタ、魔法少女よね?」


「あん? どっからどう見ても魔法少女だろ?」


「いや、魔法少女なのに銃火器を次々と取り出してガンガン撃つとか、子供達が見たら普通に泣く光景じゃない?」


「……う、うわーん!」


 ニリスの一言にキリは泣き出してしまった。


「オレだって本当はファンシーでキラキラした魔法を使いたかったよー! こんな子供を泣かせるような魔法少女なんて嫌だよー!」


「う、うん、ワタシ達って敵同士だけど、なんか同情しちゃう」


 キリが泣き出す、ニリスが申し訳なく思う。


 こんなカオスな展開に対して、二人の新たな魔法少女が姿を現した。


 一人は銀髪でグレーの魔法少女、もう一人はグリーン衣装の魔法少女だ。


「四天王ニリス、悪いけど倒させてもらうよ!」


「あら? 新たな魔法少女ね。名前は?」


「私はステラで、こっちはガイアちゃん!」


 ステラが登場した事によって、泣いていたキリが我に帰った。


「ステラ? 本当にステラなのか!?」


「え、君は?」


「お、オレは狙撃系魔法少女キリ! 頼みがある、キラキラになる方法を教えてくれ!」


「はい?」


 現場は余計にカオスな展開になってしまった。


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