『黄金と血のニューヨーク ― マフィアの帝国』

第一章──エドゥアルドの復讐

プロローグ──エドゥアルド・ガルシア ― ニューヨーク暗黒街、伝説の幕開け

『黄金と血のニューヨーク　― マフィアの帝国』

──失われた妻と祖国、全てを奪われた男は、今、己の王国を築き始める。

■プロフィール

エドゥアルド・ガルシア

・年齢：24歳

・出身：コロンビア

・元職：コーヒー農園主

・失ったもの：妻ローザ、財産（コーヒー農園と現金1,000万ドル）

・今後の運命：ニューヨーク・マフィア「アンジェロ・エンジェル・マルティネス」の部下となり、裏社会の世界で自らの運命を切り拓いていく

■物語の中での転落と出発

かつては小さな農園の経営者であり、ごく平凡な若者だったエドゥアルド・ガルシア。しかし彼の人生は、コロンビアの麻薬王カルロス・カルデロンによる闘牛賭博のイカサマによって、すべてを失う。最愛の妻ローザと財産を同時に奪われ、絶望と中毒の淵に沈みかけていた彼を救い出したのは、異国の検事・ルドラ・バッシャールだった。

一時はルドラの庇護下でアメリカに渡り、マイアミからニューヨークへと旅をともにするが、カルロス殺害という“復讐劇”を経て、エドゥアルドは決定的な選択を迫られることとなる。

■裏社会の新たな一歩

ニューヨークで麻薬密売組織の幹部アンジェロ・マルティネスと対面したエドゥアルドは、ルドラの後押しもあって「マフィアの使い走り」としての人生を歩み始める。「金と権力を取り戻す」――その意志のもと、危険な世界に飛び込むことを選んだ彼に、月給3,000ドルとコカイン運び賃1トンあたり1万ドルという報酬が約束される。

はじめは電話番や使い走りのような下積み仕事だが、彼の“根性”と“誠実さ”は組織のなかで徐々に評価されていく。ルドラからも「本当は思慮深く優しい男」と認められており、仲間からの信頼も厚い。だがその胸の奥には、未だ燃え尽きぬ復讐と喪失の炎が燻っている。

■新主人公として

ルドラと袂を分かち、“自らの力で裏社会を生き抜く若者”としてエドゥアルドの物語が始まる。コロンビアの悲劇からアメリカの暗黒街へ――彼の運命は、麻薬取引とマフィアの抗争の只中で、大きく動き出す。

かつてはすべてを失い、今またすべてを賭けて這い上がろうとするエドゥアルド。裏社会の秩序と暴力、欲望と友情の交差する渦の中で、彼は何を守り、何を捨て、何を手に入れるのか――

“エドゥアルド・ガルシアの闘い”が、ここから始まる。

追伸

『黄金と血のアルゼンチン』第一章第33話、第一章第34話、第二章第1話において、ルドラ、インタイ、エドゥアルドの出会いと別れが描写されています。