第45話「愛の宣言」

「ふぉふぉふぉ、負けましたな」


 レミア達は、何とか軍師に勝って海の結界から魔王城に戻ったが、すでに全員疲れ果てていた。


 軍師もクラーケンの姿から老人の姿に戻っていたが元気いっぱいな様子だ。


「ぜぇはぁ、ど、胴体にまで辿り着いたのに、目からビーム出すなよ」


 レミアが愚痴をこぼすと、ガラハンも同じ事を考えていた。


「はぁはぁ、しかも胴体を攻撃しても魔法の防御も完璧とかふざけるなよ」


「ふぉふぉふぉ、しかし、聖剣と魔剣の合体攻撃で、この軍師は負けましたぞ? ほれほれ、早くリミカ姫の元に向かってくださいな。フィナーレを飾るのはクラウンバレットの皆様でしょ?」


 それを聞いて、レミアとアサンは立ち上がった。


「そうだな。それと、ガラハンお姉さんは、ここで待機! 最高のフィナーレを邪魔するなよ!」


「ふっ、気にするな」


 レミア達を見送った後に、ガラハンはラカに向かって言った。


「なぁラカ、一度でも良いからレミアちゃんに『ガラハンお姉ちゃん、だーい好き』って言われたいけど、何か策とか無いかな?」


「はぁぁぁ? こっちは、お姉さん呼びしてるのに、それの更に上位互換お姉ちゃん呼びを求めてると? 強欲すぎるよガラハンお姉さん」


 ガラハンとラカの会話を聞いてた軍師がガラハンに提案した。


「ふぉふぉふぉ、ここは軍師としてアドバイスするとしましょうかな」


⬛︎


 魔界を一望できる玉座の間にクラウンバレットのメンバー全員が集結した。


「ほぉ、まさか魔王軍の幹部を全員倒してくるとはな」


 リミカも魔王らしいセリフを言ってる。やはり演技は大事だよね。


 魔界の住人達は、今からリミカとクラウンバレットの対決が見れると期待してるが、私は堂々と魔界の住人達に宣言した。


「皆さん聞いてください! 私は今からリミカ姫を奪います! それも力ではなく愛でです!」


 この発言に対して、魔界の住人達は「何言ってんだあの天使?」みたいな疑問を持ってるが、私は続けた。


「私は、リミカを愛してます。なので宣言します。リミカの持つ白銀の魔剣クロスレインを破壊したらディープなキスを皆さんの前で公開します!」


「はぁ!? ちょっと待てサラ! お前に羞恥心しゅうちしんとかないのか!?」


「無い!」


「言い切りやがったよ、この元王女様!」


 私達は、リミカを傷付けないように白銀の魔剣を破壊する事にした。

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